技術解説(AZE)
2013年8月号
Women's Imaging 2013 最新技術
ワークステーションによる乳腺MRI画像処理
乳がんは女性の罹患率が高いですが,他のがんに比べて予後が良く,早期発見で治癒できる可能性があるため,非侵襲的な検査によって早急な検出,および診断が望まれています。特に,MRIは広がり診断,質的診断,多発病変の検出に優れるとされています。
われわれが開発したソフトウェア“Dynamic 4D解析”(図1)では,乳腺MRIの検査で最も重要視されている造影MRIのTime-Intensity Curve(TIC)の描出を行うことが可能であり,グラフ形状パターンの区別によってwashoutの有無を検討できます。また,組織からの造影剤染み出し時間を計算するアルゴリズムを備えており,腫瘍の性状評価も期待できます。
乳腺MRIでは,拡散強調画像(DWI)も病変検出目的で有用視されています。今回開発したソフトウェアでは,複数のDWI画像からADCマップを作成することができるほか,腫瘍領域のADC値のヒストグラム形状を解析し,化学療法の治療効果を反映するとされる指標(尖度,歪度)を算出することが可能です。また,複数のDWI画像から,計算によって任意のb値のDWI画像を表示することができる“Computed DWI機能”(図2)を搭載しており,高いb値でのDWI画像を容易に作成することが可能です。これに伴い,近年では,より高解像度のDWIを得るため,SNRの高いb値のデータを用い,高解像度かつ高いb値のデータを取得するような試みもあります。これが可能になれば,幅広い領域でDWIによる病変検出が容易になるのではないかと考えています。
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