医用画像博覧会 2020 フィリップス・ジャパン - CT
「CT 6000 iCT」と「CT 5000 Ingenuity」を発売しCTのポートフォリオを拡充
2020-4-13
CT新製品2機種を同時リリース
●スペックを強化した「CT 6000 iCT」と「CT 5000 Ingenuity」を新発売
CTは,2020年4月6日に2機種の新製品「CT 6000 iCT」と「CT 5000 Ingenuity」を発表した。最上位機種の二層検出器搭載「IQon Elite Spectral CT」に次ぐクラスとして,2019年に発売した“Tube for Life”がコンセプトの128スライスCT「Incisive CT」に,iCTシリーズ,Ingenuityシリーズの最新モデルを追加した形だ。いずれも従来機種からデザインを一新し,IQon Elite Spectral CTのようなスタイリッシュな外観となっている。
心臓領域にも対応するCT 6000 iCT(256スライス)と全身検査に対応するCT 5000 Ingenuity(126スライス)は,従来機種からスペックを強化。増加し続けるデータ量に対応するため,再構成スピードを従来の1.6倍に高速化した。画像処理がスピーディに行われることで,検査全体のワークフローも向上する。また,Windows 10を採用したことにより,ウイルス対策などサイバーセキュリティが強化されている。
さらに,上位機種に搭載されている逐次近似再構成“IMR Platinum”も搭載可能である。IMR Platinumは,FBP法に比べてノイズを最大90%低減,低コントラスト検出能の向上が可能で,造影検査においては造影剤量を4割ほど低減しても従来と同等の画質を得ることが可能だ。
ともにIncisive CTと同等クラス以上の装置であるが,治療用天板やIMR Platinumなど,多様なオプション機能を選択することができる。シンプルに検査数をこなしたい場合にはIncisive CTを,用途に合わせてカスタマイズしたい場合にはCT 6000 iCTやCT 5000 Ingenuityと,ニーズに沿った選択が可能になる。
●前立腺がんの視認性を向上させるヨード密度画像など,多彩なスペクトラルイメージングが可能なIQon Elite Spectral CT
IQon Elite Spectral CTは,異なる素材のシンチレータが上下層に配置された二層検出器“NanoPanel Prism”で,2種類の異なるX線エネルギーを収集することで,時間的・空間的に同じ投影データを用いた高精度なdual energy CTが可能となる。全例で120kVpの通常画像の取得,レトロスペクティブにスペクトラルイメージングが可能なシステムだ。画像再構成ユニット“HyperSight Elite Spectral Reconstructor”による高い処理能力により,日常臨床でスペクトラルイメージングを使いやすくなっている。
スペクトラルイメージングは,“Calcium Suppression”による骨髄イメージングや“Electron density(電子密度画像)” による軟部組織の評価も可能とするなど,ますます多様化している。ヨード密度画像では,前立腺がんの病変部の視認性の向上も認められており,前立腺がん評価のゴールドスタンダードであるMRIと同じように臨床で活用できる可能性がある。
(文責・編集部)
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