医用画像博覧会 2020 日立製作所 - CT 
全身領域への適用可能になった“IPV”など「SCENARIA View」の最新アップデートを紹介

2020-4-13

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64列128スライスCT「SCENARIA View」

64列128スライスCT「SCENARIA View」

64列128スライスCT「SCENARIA View」は,逐次近似画像処理“IPV”による低被ばくと“SynergyDrive”によるワークフロー効率化の2つが大きなコンセプトの装置である。
IPVは,オブジェクトモデルと統計学的モデルに,周波数特性を踏まえた物理モデルを組み合わせて繰り返し処理を行うことで,自然な質感を保ったまま,FBPと比較して画像ノイズを最大90%低減,被ばくを最大83%低減,高コントラスト分解能と低コントラスト検出能が最大2倍という性能を実現している。専用のユニットなどは不要で,低線量撮影でも視認性の高い画像を提供する。自動照射制御(AEC)との連動も可能な“IntelliEC Plus”により,IPVによるノイズ低減率を考慮した撮影条件の設定も可能だ。最新のアップデートでは,従来の腹部領域だけでなく全身領域に適用できるようになった。
また,SynergyDriveにおいては,同時に複数人分の事前設定や画像処理が可能な作業効率の良さや,ポジショニングを支援する寝台の横シフト機能(最大200mm),スキャン範囲の自動位置決め機能“AutoPose”が特長となっている。AutoPoseは,アップデートにより肺野に加えて頭部にも対応し,OMライン,SMライン,RBラインの3つの基準を自動設定することができる。

頭部画像のFBP(左)とIPV(右)の比較

頭部画像のFBP(左)とIPV(右)の比較

 

胸部画像のFBP(左)とIPV(右)の比較

胸部画像のFBP(左)とIPV(右)の比較

 

さらに,最新アップデートでは,より強力な金属アーチファクト低減技術 “HiMAR Plus”を追加。HiMAR Plusは,rawデータとイメージデータの両方で繰り返し再構成を行うことで,股関節や膝関節などの人工関節で使用される大きな金属部品により発生する強いアーチファクトも抑制できる。画像処理の強度は,standardとstrongの2段階あり,従来のHiMARもあわせ,部位や目的に合わせて強度を選択することができる。
また,寝台が横スライドした状態でもガントリをチルト(最大傾斜角度30°)することができるようになり,ポジショニングの工夫により不要な被ばくを回避することができる。

人工股関節症例におけるHiMAR Plusの効果

人工股関節症例におけるHiMAR Plusの効果

 

(文責・編集部)

 
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