東京女子医科大学病院 × AeroDR STITCHING SOLUTION(OneShot長尺システム)(コニカミノルタジャパン)
AeroDR STITCHING SOLUTIONの使用経験
2017-1-5
図1 補助具使用時の安定性
固定バンドは当院私物
はじめに
当院は,2015年5月にCRからコニカミノルタ社製のFPDへシステム変更した。それに伴い,CR長尺システムも2016年2月に国内初号機として「AeroDR STITCHING SOLUTION(OneShot長尺システム)」(コニカミノルタ社製)を導入した。当院では整形外科の脊椎疾患,股関節・膝といった下肢疾患,小児科の筋疾患など,1か月平均120件の全脊椎撮影と50件の全下肢撮影を行っている。長尺撮影はアライメントを評価する撮影としてきわめて重要な撮影であり,撮影対象も小児から高齢者まで年齢層が幅広く,撮影体位も立位,座位,臥位と,疾患や患者さんの状態に合わせて依頼される。どのような患者さんでも評価,診断できる画像を提供できるよう具現化したAeroDR STITCHING SOLUTIONの使用経験を紹介する。
AeroDR STITCHING SOLUTIONの特徴
1.既存の半切FPD3枚を組み合わせて撮影(パネルシェア)
1枚の大きな長尺専用FPDではなく,一般撮影で使用している半切FPDを3枚組み合わせて長尺撮影を行うため,故障時のバックアップなどコストパフォーマンスに優れている。また,撮影範囲も最大120cmと長く,アライメント評価に適している。
2.臥位での撮影も可能
FPDを装填する長尺専用ホルダーは撮影台から取り外し可能で,臥位での撮影もできる。ただしFPD1枚が2.6㎏で,撮影台から取り外したときの総重量が20㎏あり,今後の軽量化に期待したい。
3.撮影補助具の充実
当院とコニカミノルタで共同開発した補助具*は,患者さんの状態,撮影時の体位などを考慮し,また撮影介助者の負担軽減をめざしたもので,好評である(図1)。
4.スループット
照射後,画像結合は自動で,結合ズレもなく約10秒で行える。撮影補助具を使用することで撮影介助者を1人減らすこともでき,スループットが向上した。
5.画像結合部の画質
FPDを重ね合わせて撮影し,画像結合を行い長尺画像を作成するので,画像結合部に信号減弱が生じ,画像上にアーチファクトが出現するが,医師からはアライメント計測,その他診断には問題ないとの評価を得ている。ただし,アーチファクトについては,今後もさらなる改良を期待したい(図2)。
まとめ
AeroDR STITCHING SOLUTIONを使用することで,長尺撮影が安全で安心して行えるようになり,検査時間短縮,撮影介助者削減など撮影効率も飛躍的に上がった。しかし,改善を期待する点はまだあり,今後も評価を続け,より良いシステム構築をめざしていきたい。
*撮影補助具はAeroDR STITCHING SOLUTIONのオプションである。
森田 康介(東京女子医科大学病院中央放射線部)
〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
TEL 03-3353-8111
http://www.twmu.ac.jp/info-twmu/
病床数:1389床