SwiftMR™
MRIの高速化と画質向上を実現した深層学習ソリューションSwiftMR™

2024-12-2

MRI周辺機器

AIRS Medical


MRIの撮像時間と画質がトレードオフの関係性にあることは,ほぼ常識とされている。だが今回紹介するSwiftMR™なら,その常識を覆すことができるかもしれない。
SwiftMR™は,MRI画像に特化した医療AIソフトウェアを開発するAIRS Medical社が手がける,高速撮像と高画質の両方を同時に実現するMRIの深層学習ソリューションだ。2021年にFDA510(k)のクリアランスを受けており,現在20か国以上で使用されている。日本でも2023年にPMDA認証を取得(国内公式販売名:SwiftMRスイフトエムアール)し,販売を開始している。

SwiftMR™とは?

SwiftMR™は,既存のMRI装置やPACSと接続して使用するAI画像再構成ソフトウェアである。SwiftMR™を用いると,まず最適化されたMRIプロトコルにより高速撮像かつ高ノイズの画像取得が行われる。その後,SwiftMR処理によってノイズのみが除去され,超解像技術を用いた空間分解能の向上も適用された後,最終的に高空間分解能かつ低ノイズの高画質なMRI画像が出力される。画像処理に使用されるAIモデルは,300万枚の画像データに基づきノイズと組織信号のパターンを学習させ,ノイズは除去,組織信号は高解像で復元するように作られたもので,末梢血管や腫瘍の内部構造などを,従来の撮像に比べて明瞭に描出することができる(図1)。撮像時間の短縮割合は従来用いているプロトコルや撮像部位によって異なるが,実際にSwiftMR™を導入しているとある国内の施設では平均して3割ほどの時間短縮であった。

図1 頭部TOF-MRA撮像。左が従来の画像,右が高速撮像の上,SwiftMR処理された画像

図1 頭部TOF-MRA撮像。左が従来の画像,右が高速撮像の上,SwiftMR処理された画像

 

SwiftMR™の特長

SwiftMR™の大きな特長の一つが,その導入のしやすさである。施設内へのゲートウェイPC設置のみで導入できるため,検査の中止や工事は不要である。また,導入前後でMRI検査のワークフローが大きく変わることもない(図2)。またSwiftMR™はサードパーティソリューションであるため,あらゆるベンダー,年式,装置モデルに対応可能である。それにより,旧式のMRI装置であっても,より短い撮像時間でより良い画質を得ることができる。また,全てのパルスシーケンスに適用できることから,あらゆる検査の底上げを図れることも特筆すべき魅力の一つである。
もう一つの特長は,充実したトライアル環境だ。製品説明会だけでなく,1か月間のトライアル使用など施設の希望に応じたさまざまな方法でSwiftMR™を体感することが可能である。また,各施設で撮像された匿名化DICOM画像があれば,SwiftMR™で処理したサンプルを返送することもできる。興味を持たれた方は,ぜひ上記の問い合わせ先までご連絡いただきたい。
SwiftMR™の導入には,MRIに関わるスタッフの労働時間短縮,患者さんの待ち時間短縮といった波及効果も期待される。SwiftMR™は,さまざまな面から,MRI検査に関わる医師やその他医療スタッフの一助となるだろう。

図2 SwiftMR™導入イメージ

図2 SwiftMR™導入イメージ

 

*対応する部位,パルスシーケンス,磁場強度,対象患者やMRIのベンダーは,国によって異なる場合があります。

 

●問い合わせ先
AIRS Medical Japan合同会社
〒105-6490 東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー15-16F
Japan@airsmed.com
https://airsmed.com/jp/contact-us/

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(月刊インナービジョン2024年12月号掲載)
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