技術解説(ザイオソフト)
2018年8月号
Women's Imaging 2018 最新技術
「Ziostation2」による“MRダイナミック解析”
乳がん検査における腫瘍の良悪性鑑別において,造影MRIによるwashinとwashoutを確認することが有用と言われています。今回は,最新の「Ziostation2」に搭載される“MRダイナミック解析”(図1)の技術について紹介します。
●直感的でスムーズな操作性
Ziostation2に搭載されたMRダイナミック解析は,データを開くと同時に乳房の形態を認識し,パラメトリックマップを表示します。パラメトリックマップは,1クリックでwashinとwashoutを切り替えることが可能であり,腫瘍や周囲組織への造影剤濃染を元画像と組み合わせ,観察することができます。関心領域は,円に加え,矩形や点で描画可能であることから,病変全体の血流状態に加え,局所の細かな血流状態も観察することが可能であり,複雑な形状を示す病変に対しても正確な診断が行えます。MRダイナミック解析は,すべてのユーザーが直感的に操作でき,スムーズな解析が行えるアプリケーションであり,日々の診断・読影をサポートします。
●非剛体位置合わせを用いた正確なパラメトリックマップとtime intensity curveの作成
乳腺MRIの撮像では,撮像時に同一の姿勢を維持することが難しいため,わずかながら体動による位置ズレを生じます。この位置ズレは,ピクセルベースの計算が必要なMRダイナミック解析において解決しなければならない課題です。そこで,ザイオソフトは,これまでに培った位置合わせの技術を用いて,乳腺MRIに対して最適化した非剛体位置合わせを開発しました。この技術を用いることにより,体動による位置ズレを補正し,より正確な解析が可能となります。位置ズレのないパラメトリックマップとtime intensity curveを表示することで,病変内部や周囲組織の血流状態を,視覚的かつ定量的な評価が行えます。
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