技術解説(シーメンスヘルスケア)
2020年8月号
Women's Imaging 2020 最新技術
See the difference,Make the difference「MAMMOMAT Revelation」 ─Insight 2D,Insight 3D─
シーメンスは,1957年から乳房撮影装置の製造・販売を続けている。それから約60年。“See the difference, Make the difference”をキーメッセージとしてつくられた乳房撮影装置が「MAMMOMAT Revelation」である。“違いを読む,違いを創る”MAMMOMAT Revelationにより撮影される高精細トモシンセシスデータと,さらにトモシンセシスデータから再構成により得られる“Insight 2D”および“Insight 3D”を紹介する。
●トモシンセシス*
シーメンスのトモシンセシス撮影は,“All Slice Tomosynthesis─すべての断面でクリアな画像を─”をコンセプトに開発を行った。断層撮影の場合は,振り角が大きければ大きいほど,また,照射回数が多ければ多いほど,被写体の深さ情報が多く得られ,断層厚が薄い画像を得られる。そのため,トモシンセシスの振り角は±25°(トータル50°),照射回数は25回行っており,すべての断面においてクリアなトモシンセシス画像を得ることができる。
撮影プロセスは,25回の照射を行い,得られたプロジェクション画像25枚をボリュームデータとして取得し,再構成を行う。その結果,撮影台に対して1mmのスライスピッチでの画像を得ることができる。つまり,最終的に得られるトモシンセシス画像は,4cmの乳房厚であれば40枚となる。
バイオプシー検査においてもトモシンセシス画像によりターゲットを選ぶことが可能になっている(HD Tomo Biopsy*)。IEC規格(IEC 60601-2-45:2015)適合には±1mmの精度が必要だが,シーメンスのトモシンセシスは断層厚が薄いため,縦刺し,横刺しにおいても精度の高い検査を行うことができる。
●Insight 2D,Insight 3D
トモシンセシス撮影時に得られる25枚のプロジェクション画像により生成することができるのが,Insight 2D(合成2D画像)である。米国のように,シーメンスのトモシンセシス画像単独で診断可能と米国食品医薬品局(FDA)により承認されているようなケースでは,通常の2D撮影を行わず被ばくの低減につなげることが期待できる。
また,25枚のプロジェクション画像から再構成する3Dボリューム画像処理機能がInsight 3Dである。3Dボリューム画像を回転させることで,石灰化の分布などをより明確にとらえることが可能となる。Insight 2D,Insight 3Dどちらも高精細トモシンセシス撮影データだからこそ得られる画像処理機能である。
*はオプション
販売名:マンモマート レベレーション
認証番号:230AABZX00029000
【問い合わせ先】
コミュニケーション部
TEL 0120-041-387
URL https://www.siemens-healthineers.com/jp/