高度な読影支援を実現するのが，大腸検査専用解析ソフトウエア“Colon VCAR EC（コロン・ブイカー・イーシー）”です。Colon VCAR ECは，CT装置から画像が転送されると，大腸内の空気（炭酸ガス）の連続性と解剖学的位置から自動で大腸のみの仮想注腸像（Air Image）と仮想標本像（Lumen Image）が表示されます。
横断像，仮想内視鏡像，仮想標本像，仮想注腸像が同時に表示可能であり，仰臥位と腹臥位をリンクしながらの観察も可能です。本ソフトウエアの主要機能は次の2つです。

●Digital Contrast Agent機能
CTCでは病変と残渣，大腸襞を見分けながら，病変のみを的確に把握するのが難しく，検出率と読影時間は医師の経験値によって左右される傾向がありました。撮影画像の中で球状の構造物を認識し，自動的に色付けをするのが“Digital Contrast Agent（デジタル・コントラスト・エージェント：DCA）”機能です（図1）。読影医に注意を促し，ポリープ検出をサポートすることが可能です。

図1　DCA
球状の構造物に自動で色付けし，読影をサポート

●Electronic Cleansing機能
検査の際に，腸管内に残便や残渣が残っていると病変部描出の妨げとなるため，CTC検査の前には前処置を行い腸管内をきれいにする必要があります。バリウムやガストログラフインなどの造影剤を経口服用して腸管内の残便や残液を高濃度にすることで，CT値の差を利用して残便や残液を抽出・削除するのが“Electronic Cleansing（エレクトロニック・クレンジング：EC）”機能（図2）で，被検者の負担が少なく，術前の煩雑さも解消できます。

図2　EC
a：オブリーク像（EC OFF）  b：仮想内視鏡像（EC OFF）
c：オブリーク像（EC ON）　d：仮想内視鏡像（EC ON）