展示会に見るCT技術の変遷(ITEM in JRC 国際医用画像総合展)(GEヘルスケア・ジャパン)

●2005

64列ボリュームCT「LighitSpeed VCT」を展示。さらに,32列の「LighitSpeed VCT Select」を世界で初めて発表。ハードやスペックは64列と同等だが,データ収集を1.25mmの32列で行い,多様な臨床ニーズに応えていくのがねらいという。

「Advantage WorkStation」
MDCTで発生する膨大な画像の再構成処理やMRの画像処理を行う高機能ワークステーション。最新バージョン4.2を紹介。

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●2006

ボリュームCT「LightSpeed VCT」では,心臓の新しいスキャン法として“カーディアック フリーズ フレーム スキャン機能”を紹介しています。これは,ヘリカルスキャンを行わずに,アキシャルスキャンを行うもので,これにより無駄な被曝を防ぎ,最大で80%もの被曝低減ができる画期的なスキャン法です。そして,心臓撮影範囲を120mmと仮定した場合に3心拍分(ビーム幅40mm)のデータで心臓全体を撮影できます。CTの新製品としては,オペレータコンソールとガントリーのデザインを一新した「BrightSpeed」を発表しています。この装置は,LightSpeedの基本的技術とともに3Dワークステーション機能も搭載しており,3D 画像処理をオペレータコンソールで行えるため,スキャンから解析までを一連の流れで行うことができるという特長を持っています。また,高速処理と使い勝手が向上したワークステーション「Advantage WorkStation VolumeShare」や,心臓解析ソフトをブラッシュアップしてより簡便にした「CardiQ Xpress」を紹介しています。
(瀬川晃司 CTセールス&マーケティング部Premium CT & Cardiology Grプロダクトマネージャー)

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●2007

● コンベンショナルというCTの原点を見つめ直す“CT Re-imagned. ”

CTブースは今回,"CT Re-imagined. "をコンセプトとして掲げた。中心となったのは64列MDCT「LightSpeed VCT」,「BrightSpeed」,Advantage Workstation「VolumeShare 2」の3つで,豊富な臨床データが併せて展示された。

LightSpeed VCTは新たな機能として,"SnapShot Pulse","ECG Editor","VolumeShuttle"の3つの新技術が搭載された。"SnapShot Pulse"は心臓に対応するアプリケーションで,撮影とテーブル移動を交互に行うコンベンショナルスキャンを採用し,無駄な被ばくを避けることで従来比最大90%の被ばく低減を可能にする。CTの原点であるコンベンショナルスキャンをもう1度見つめなおし,被ばく低減を図りつつ,画質を向上させるのがねらいだ。"ECG Editor"では,心電図の波形を被検者ごとに追加または削除して調整し,心臓撮影時に課題となっていた不整脈を回避して最適な心位相の画像を得ることができる。また,"VolumeShuttle"は,本来は1回転が40mm収集であるところを,テーブルを高速に往復運動させることで80mm収集し,頭部における広範囲のCTパーフュージョン,CTアンギオグラフィが可能になった。これらの技術は,いずれも心臓および頭頸部の撮影時の課題を解消すると同時に,画質の向上にも貢献しているのが大きな特長だ。また,全身の高速撮影が可能になり,従来は心臓に特化されがちな64列MDCTを,全身にも対応可能な装置としてアピールした。

4・8・16列のラインナップを持つBrightSpeedシリーズでは,日本の顧客ニーズや市場の動向に合わせて開発されたコンパクト設計の新製品が登場した。X線管球も6.5MHUと3.5MHUの2種類が用意され,特に16列については,心臓撮影を視野に入れている施設は6.5MHUで回転スピードは0.5秒というように,ニーズに応じて選ぶことができる。また,コンパクトでありながらLightSpeed VCT技術を搭載することで,従来の性能が維持されているほか,操作性も向上している。

Advantage Workstation「VolumeShare 2」は,血管解析機能が新たに搭載され,血栓などが半自動的に抽出できるようになった。また,より高精度な全身の自動骨削除機能や,三次元処理された画像から病変が疑われる領域だけを二次元処理して観察可能な機能では,臨床的に価値のある診断画像を作成するためのプロセスの重要性などが示された。
(取材協力:瀬川晃司さん CTセールス&マーケティング部アプリケーショングループグループ長)

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●2008

● See More. Know More. Less Doseを実現する次世代検出器「Gemstone Detector」

CTブースでは,心臓撮影時の無駄な被ばくを低減する技術である“SnapShot Pulse”が標準搭載された64列MDCT「LightSpeed VCT XT」と,RSNA2007で発表され話題となった,次世代CTのコンセプトモデルであるHigh Definition CT(HDCT)の新しい検出器「Gemstone Detector」が展示された。

Gemstoneの素材となっているガーネットは,光透過性が良く,硬度も高く,X線を照射すると蛍光を発する構造となっている。放射線に対する反応スピードは一般的に使用されるGOSと比較して,立ち上がり時が約150倍,残光は約1/10であり,光の変化に正確に追従できるという特性を持つ。同社では,この特性を利用したアプリケーションの開発が進められており,キーワードとして“See More. Know More. Less Dose”が掲げられた。See More.は飛躍的な鮮明度の向上を指し,Gemstoneによって実現できる。またKnow More.は,より多くの臨床情報を得ることであり,そのための新技術が1管球によるデュアルエナジー撮影である。80kV,140kVを0.8msecサイクルで撮影する技術によって,ブレのない,きわめて高精細な画像を得ることが可能となる。また,Less Doseについては,従来の50%の被ばく低減を実現しつつ従来と同等の高画質が得られ,または従来と同じ線量でさらなる高画質を実現するための新アルゴリズム“ASIR”(advanced statistical iterative recon)が紹介された。

さらに,こうした技術によって得られた大量のデータを高速に処理するための技術として,Advantage Workstationの新機能である“Auto Launch”が紹介された。これは,検査後に自動的にデータをワークステーションに転送し,ワンクリックするだけで自動解析処理まで行う機能である。冠動脈の抽出なら,わずか数秒で行えるなど,画像処理業務の大幅な改善につながる。

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●2009

● 分解能と低被ばくにフォーカスしたHigh Definition CT(HDCT)「Discovery CT750 HD」

CTは新製品として,High Definition CT(HDCT)「Discovery CT750 HD」,64列MDCT「Light Speed VCT VISION」,8列/16列CT「Bright Speed SDシリーズ」がラインナップされた。

最も注目を集めたDiscovery CT750 HDは,“See More. Know More. Less Dose.”をキャッチコピーに掲げ,分解能と低被ばくにフォーカスして開発された。view数を2496viewへと大幅に増加して空間分解能を向上し,高精細な情報が得られるようになったほか,Adaptive Statistical Iterative Recon (ASIR)という,逐次近似法を応用したノイズリダクションのアルゴリズムによって,従来と同X線量での撮影なら従来の半分以下に被ばくを低減することができる。さらに,Snap Shot Pulseの併用により,心臓検査については0.43mSvという,世界最小の被ばく線量を実現した。また,デュアルエナジーの撮像法として,Gemstone Spectral Imaging(GSI)が紹介された。これは異なる2つのkVを高速にスイッチングしてヘリカルスキャンによる連続したデータ収集を可能にする技術であり,画像を定量化できるようになることから,例えば,組織の変性や血流分布などが評価できるようになると期待されている。X線管球が1回転する間に,約5msごとに管電圧を切り替えるという手法を採用し,デュアルエナジーで最も問題になっていたミスレジストレーションを最小限に抑えることができる。

実機は展示されなかったものの,新製品としてLight Speed VCT VISIONが紹介された。これは,DiscoveryCT 750HDの技術を取り入れたモデルで,ASIRと,寝台を高速に往復運動させながら撮影する“Volume Helical Shuttle”が搭載されており,500スライスの4D収集を低被ばくで実現する。これにより,最大で約31cmの広範囲の撮影が可能となる。

このほか,画質と撮影スピードを追究したBright Speed SDシリーズが紹介された。

Discovery CT750 HD

Discovery CT750 HD

Light Speed VCT VISION はDiscovery CT750 HDの技術が取り入れられており,Volume Helical Shuttleにより最大で約31cmの広範囲の撮影が可能

Light Speed VCT VISION はDiscovery CT750 HDの技術が取り入れられており,Volume Helical Shuttleにより最大で約31cmの広範囲の撮影が可能

 

●2010

● 次世代の64列MSCTとして「Optima CT660」を開発

日本のユーザーのニーズを取り入れ,国内で製造された64列MSCTの新製品「Optima CT660」が展示された。Discovery CT750 HDに採用された逐次近似法を応用して,低被ばくと高画質を両立する新しい画像再構成法“ASiR(Adaptive Statistical Iterative Recon)”を採用したほか,“SnapShot Pulse”,“VolumeShuttle”といった最先端技術もすべて搭載可能とした。また,ガントリ幅205cm,最小設置面積25m2,75kvAという低設備電源,低コストな6.3MHU X線管,夜間待機電力を60%削減する省電力モードなどを採用しつつも,LightSpeed VCTと同等の高画質を実現している。

さらに,ガントリ上部中央にはカラーモニタ“Xtream Display”を搭載し,子ども向けのアニメーションや検査内容の案内などを放映・表示することで,患者さんの不安軽減にも配慮。また,コンソールもコンパクトになったほか,救急モードが搭載され,当直などで普段はCT撮影を行わない診療放射線技師でもアイコン1つで撮像領域などが簡単に選べるようになった。患者さんやユーザー,病院経営者はもちろん,地球にも優しいエコ設計となっており,同社ではOptima CT660を,高い診断能力と経済性,操作性,患者さんの不安軽減を融合した次世代装置と位置付けている。

Optima CT660

Optima CT660

救急モードが搭載された新しいコンソール

救急モードが搭載された新しいコンソール

   
CTコーナーには,Discovery CT750 HD の最先端技術などを説明するCT Learning Boothも設けられた。

CTコーナーには,Discovery CT750 HD の最先端技術などを説明するCT Learning Boothも設けられた。

 

 

●Spring of 2011

「healthymagination」実現のため,志は大きく「一般撮影レベルの被ばくに……」

● いままでのCTの常識に決別し,新たなる可能性をここに提示

CT画像の革命:非常識なVeo

  • 従来相反して一般撮影装置レベルまで下がった非常識な低被ばくを実現しました
  • 従来相反していた密度分解能と空間分解能を両立する非常識
  • 従来あって当たり前だった画像再構成関数がない新次元再構成の非常識
  • ヘリカルピッチに依存しないスライス厚を実現する非常識

 

Discovery CT750HD(図1)
次世代技術の集約……まさに臨床プロ仕様

  • See More:いままで評価困難であった領域において高分解能化による観察が可能に。
  • Know More:いままで知ることのできなかった情報をGSI(dual energy)により提供します。さらに,仮想単色X線画像が診断能を変えます!
  • Less Dose:画質を劣化させることなく被ばくを低減(660施設での実績と100%の施設での使用率)
図1 Discovery CT750HD

図1 Discovery CT750HD

 

*Discovery CT750 HD = マルチスライスCTスキャナ LightSpeed,医療機器認証番号:21100BZY00104000,類型"Discovery CT750 HD"

●2012

● 64列の最上機種と高齢者の撮影に最適化したコンパクト16列CTが登場

CTでは,「Discovery CT750 HD FREEdom Edition」と「Brivo CT385」の展示を行った。Discovery CT750 HD FREEdom EditionはRSNA 2011(第97回北米放射線学会)でも展示された同社の最上位機種。「Motion FREEdom. Calcium FREEdom. Horizon FREE.」をコンセプトにしており,心臓の撮影機能を強化している。具体的には,モーションアーチファクトを抑える「SnapShot Freeze」やデュアルエナジーイメージング技術である「GSI(Gemstone Spectral Imaging)」などの機能を搭載。GSIは,心臓撮影用CTとしては初めての搭載となり,冠動脈の石灰化した箇所を分離したり,アーチファクトのない心筋画像が得られるようになる。

一方のBrivo CT385は,同社が進める「Silver to Gold」戦略に基づいて,高齢者などの被検者の検査が容易に行えることをコンセプトに開発された16列マルチスライスCT。IJFJ製品の1つと位置づけられる。また,診療所や中小規模病院など設置スペースの限られた施設でも導入しやすく設計されており,本体は173cm(高さ)×180cm(幅)×97cm(奥行き)とコンパクト。設置面積は10m2となっている。また,省電源設計も特長としており,シングルスライスCTと同じ40/30kVAの電源で使用できる。これにより,シングルスライスCTなどからの買い替え需要を見込む。最小スライス厚は,0.625mmで,ヘリカルピッチは1.75となっており,高速撮影が可能。検査時間の短縮化により,被検者の負担も軽減する。このほか「スマートポジション」機能により,OMライン(眼窩外耳道線)の位置決めのためのチルト操作が不要となり,被検者に負担をかけずに,容易なポジショニングを可能にした。さらに,ODM機能により,水晶体などの放射線感受性の高い臓器の被ばくを抑えている。

今回は実機が展示されなかったが,IJFG製品である「Optima CT660」もバージョンアップ版が発表されている。「FD(Future Definition:未来基準)」をコンセプトにした64列マルチスライスCT「Optima CT660 FD」は,全身を6秒で撮影することが可能である。

心臓撮影の機能を強化したDiscovery CT750 HD FREEdom Edition

心臓撮影の機能を強化したDiscovery CT750 HD FREEdom Edition

IJFG製品の1つであるBrivo CT385

IJFG製品の1つであるBrivo CT385

 

●2013

● Optima CTシリーズの新製品3機種が登場

Discovery CT750 HD FREEdom Edition

Discovery CT750 HD FREEdom Edition

CTは,「Discovery CT750 HD FREEdom Edition」(以下,FREEdom Edition)と,新製品の「Optima CT660 Discovery Edition」が展示された。FREEdom Editionは,心臓検査機能を強化したCT装置として2012年に発売された同社CTの最上位機種。検出器にはガーネットを採用して,超高分解能を実現し,心臓を含む全身領域で高速撮影/高画質を提供するほか,高速kVスイッチング技術によりdual energy imaging“Gemstone Spectral Imaging(GSI)”が可能となっている。新製品のOptima CT660 Discovery Editionには,このFREEdom Editionの動き補正技術“SnapShot Freeze”と,単純撮影時などの息止め時のデータなどを利用し,管電圧・管電流・撮影方式・撮影ピッチ・再構成方法・再構成位相などを全自動設定する“SnapShot Assist”が搭載され,心臓検査を強化し,かつ,より臨床で使い勝手の良い装置として開発された。CT撮影は診療放射線技師の技量によって左右されてしまうところがあるが,SnapShot Assistでは,患者の体重,身長,心拍数,心拍変動などの状態を踏まえて,患者の状態をリアルタイムで見ながら最適な撮影条件を作ることができる。

また,Optima CT660シリーズの新製品として「Optima CT660 Pro Advance」「Optima CT660 Advance」の2機種が発表された。Optima CT660 Discovery Edition を含む3機種は,Optima CT660 FDシリーズをベースに国内の医療機関の声を反映した製品として国内で開発・製造された。Optima CT660 Pro AdvanceとOptima CT660 Advanceの2機種には,寝台を高速に往復させながら500スライスの4D収集を可能にする“Volume Helical Shuttle”が新たに搭載されている。Volume Helical Shuttleは従来,広範囲のダイナミックCT撮影を目的に開発されたが,現在では整形領域にて関節を動かしながら撮影して四次元的に見るために用いられることが多くなってきているという。このように,Optima CT660シリーズは,これまでの臨床使用経験を経て,従来とは異なる新しい価値とより最適な使い方を提供することが大きなテーマとなっていた。

AWではCTコロノグラフィの読影をアシストする新機能として“Digital Contrast Agent(DCA)”が紹介された。DCA は病変が疑われる球状の部分をハイライトする機能で,ITEM前日に行われたJRC2013「CTコロノグラフィ トレーニングコース」のハンズオンでは,100%の病変に対してDCAが機能したという。このほか,CTブースでは,同社装置に限らずすべての放射線検査機器の線量を一元管理するシステム“Dose Watch”(国内未発売)が参考出展された。

新製品のOptima CT660シリーズ

新製品のOptima CT660シリーズ

CTコロノグラフィの読影をアシストするDigital Contrast Agent

CTコロノグラフィの読影をアシストする
Digital Contrast Agent

 

●2014

● 最高レベルの分解能,回転速度,カバレッジを有するRevolution CT

CT8800を彷彿とさせるスクエアなガントリを持つRevolution CT

CT8800を彷彿とさせるスクエアなガントリを持つRevolution CT

2013年の北米放射線学会(RSNA 2013)で発表され,国内での発表が待たれていたRevolution CTが,ジャパンプレミアとしてITEM会場に登場した。同社では,CT技術の三大要素として画質,スピード,撮影範囲を挙げ,そのすべてにおいて最高レベルを実現した装置としてRevolution CTを発表した。従来機種「Discovery CT750 HD」シリーズなど,同社のCTは,検出器素材“Gemstone”といった技術により,従来から高分解CTとして,一歩抜きん出ていた。Revolution CTでは,0.23mmの空間分解能に加えて,ガントリの回転速度が0.28s/rot,かつ動態解析アルゴリズムを併用し,現行のCTの中では最高時間分解能速を実現。さらに,16cmというワイドカバレッジを有している。
外観は,1978年に発表されたCT8800を彷彿とさせるスクエアなガントリデザインを施し,同社CTの正統な進化を物語っている。その中身は,ハードウエア設計を刷新し,完全非接触のスリップリング,Discovery CT750 HDシリーズの1/8のサイズとなるDASを採用。さらにCTの心臓部と言える3Dコリメータは散乱線を除去するために新開発された。この3Dコリメータは,日本国内の日野工場で生産されており,GEヘルスケア・ジャパンの高い技術力の証となっている。
このRevolution CTに併せて,被ばく低減技術も新たになった。同社では,逐次近似応用画像再構成法の“ASiR”と逐次近似画像再構成法の“Veo”という2つの再構成技術を有しているが,Revolution CTには,ASiRの効率的なワークフローとVeoの高画質という両者の長所を取り入れた“ASiR-V”が搭載される。FBP法と比較して50〜82%の被ばく低減を図れるという。

画質,スピード,撮影範囲すべてで最高レベル

画質,スピード,撮影範囲すべてで最高レベル

 

Revolution CTに搭載される3Dコリメータ

Revolution CTに搭載される3Dコリメータ

 

●2015

● “Double Dose Reduction”を実現する「Revolution EVO」などRevolutionファミリーをPR

CTコーナーでは,ITEM2014で発表されたRevolution CT,それに続き昨年リリースされた「Revolution GSI」「Revolution EVO」のRevolutionファミリーの最新技術が紹介された。
同社のフラグシップ機であるRevolution CTは,広範囲,高画質,高時間分解能というCTに求められる三大要素すべてで最高レベルをめざして開発された。検出器の“Gemstone Clarity Detector”は,コーン角の影響を抑える設計がなされ,撮影範囲は160mmを実現。散乱線をカットする3Dコリメータは,高い製造技術を誇る日野工場で製造されている。また,完全非接触のスリップリング,「Discovery CT750 HD」シリーズの1/8に小型化したDASなど,新しいハードウエア設計になっている。これに伴い,被ばく低減技術である逐次近似応用画像再構成法の“ASiR”も新しくなり,“Veo”の技術を移植した“ASiR-V”へと進化している。ASiR-Vは,FBP法と比べて50〜82%被ばくを低減できる。
このRevolution CTを受け継ぎ,ファミリーとして2014年9月に発表されたのが,Revolution GSIとRevolution EVOである。Revolution GSIは,同社のデュアルエナジーイメージングである“GSI(Gemstone Spectral Imaging)”がルーチン検査で可能となる装置。2つの管電圧で撮影されたデータから物質弁別画像や仮想単色X線画像を得られる。デュアルエナジーイメージングは,大学病院など一部の限られた施設でしか行われていなかったが,Revolution GSIにより,より多くの施設で施行が可能になると期待される。
もう1台のRevolutionファミリーであるRevolution EVOは,被ばくと造影剤量の低減を目標に開発された装置。新型検出器“Lumex Clarity Detector”を採用したほか,回転機構や信号系,電気系のノイズを可能なかぎり除去するなどして,最大82%の被ばく低減と低管電圧撮影による造影剤量の低減という“Double Dose Reduction”を可能にした。これにより小児検査などにおいて被検者に負担をかけない検査を行える。
被ばくに関しては,線量最適化支援ソリューションの「DoseWatch」もPRされた。DoseWatchは,医療施設内のCTや血管撮影装置などモダリティの線量データを基に,検査や被検者,部位ごとに管理,分析を行える。これにより放射線部門における検査の線量の最適化を図れる。2015年2月には,放射線医学総合研究所が進める医療被ばく情報収集にDoseWatchを提供するという委託契約が締結された。

ハイエンド装置の「Revolution CT」

ハイエンド装置の「Revolution CT」

「Revolution CT」に搭載される検出器などの最新技術

「Revolution CT」に搭載される
検出器などの最新技術

   
「Revolution EVO」が可能にした“Double Dose Reduction”

「Revolution EVO」が可能にした
“Double Dose Reduction”

線量最適化支援ソリューションの「DoseWatch」

線量最適化支援ソリューションの「DoseWatch」

 

●2016

● 「40th GECT Anniversary ~40年の歴史が創り出すClinical Outcome~」をテーマに「Revolution」ファミリーを展示

GEヘルスケアは,1975年にX線管と検出器が同時に回転する第三世代のCTを開発し,翌76年には「CT7800」を発表した。それから40年を迎えた今回のCTコーナーは,「40th GECT Anniversary ~40年の歴史が創り出すClinical Outcome~」をテーマに掲げた。展示では,フラッグシップの「Revolution CT」,「Revolution GSI」と「Revolution EVO」のRevolutionファミリー3機種のガントリがそろい踏みで披露された。
画質,スピード,カバレッジというCTに求められる3つの要素で最高のものをめざして開発されたRevolution CTは,160cmの撮影範囲をカバーする“Gemstone Clarity Detector”を採用。完全非接触にしたガントリのスリップリングにより,電子ノイズを25%削減。日本で開発・製造される3Dコリメータにより,散乱線を除去して,高画質化を図っている。
Revolution GSIは,デュアルエナジーイメージング機能である“Gemstone Spectral Imaging”が可能な装置である。また,Revolution EVOは,逐次近似応用再構成法である“ASiR-V”を搭載し,ノイズを抑えつつ高画質を実現。最大約82%の被ばく低減と低管電圧撮影による造影剤量削減を図っており,従来機種に比べて検査効率を40%向上させられる。
このほか,Revolutionファミリーの最新技術を紹介するプレゼンテーションコーナーも設けられた。

ハイエンドクラスのRevolution CTのガントリ

ハイエンドクラスのRevolution CTのガントリ

デュアルエナジーイメージングが可能なRevolution GSI

デュアルエナジーイメージングが可能な
Revolution GSI

   
低被ばくと造影剤量減を図れるRevolution EVO

低被ばくと造影剤量減を図れるRevolution EVO

 

 

●2017

● “Smart Cardiac Technology”と “GSI Xtream” を組み込んで進化した「Revolution CT」
CTのコーナーでは,2014年のITEMで発表されたRevolution CTに新たに搭載された技術が紹介された。
その一つSmart Cardiac Technologyは,心臓CTの撮影を容易にするとともに,ワークフローの改善を図る新技術である。Smart Cardiac Technologyには,被検者の心拍データから至適撮影プロトコールを自動で設定してスキャンを行う“Auto Gating”,冠動脈のモーションアーチファクトを解析して至適心位相で撮影できる“Smart Phase”,冠動脈のモーションアーチファクトを解析し静止冠動脈画像を再構成する“SnapShot Freeze”がある。これらのアプリケーションを用いることで,検査者の経験に左右されず,至適タイミングで,高精度の心臓CT検査が可能となり,検査のスループットが大幅に向上する。
また,デュアルエナジーイメージング技術も新たになった。Revolution CTにオプションで搭載される“GSI Xtream”は,従来デュアルエナジーイメージングの課題であった画質,被ばく,ワークフローを改善する技術として,2016年のRSNAで発表され,今回のITEMを機に日本国内でも発売が開始された。これまでの同社技術では約40mm幅のデータ取得であったが,GSI Xtreamにより約80mmのデータが得られる。これにより,さらなる高速撮影ができる。加えて,コンピュータユニットを新たにしたことで再構成時間も短縮化されて,ルーチン検査でのデュアルエナジーイメージングが可能となった。仮想単色X線画像や物質弁別画像が日常検査で得られるようになると期待される。
このほか,CTコーナーでは,今回のITEMに合わせて初の試みとなる「Revolutionize CT Image Contest 2017」の結果がパネルで紹介された。これは,Revolution CTのほか,「Revolution GSI」「Discovery CT750HD」の3機種のユーザーを対象にしたWebコンテストで,投票もユーザーが行う。頭頸部(血管系含む),胸腹部骨盤部全般,体幹部血管系,心臓系,整形・その他の部門に分け,それぞれ最優秀賞1施設,優秀賞2施設が選出される。受賞作品の画像が撮影条件などとともに披露された。

「Revolution CT」は心臓CTやデュアルエナジー技術が進化

「Revolution CT」は心臓CTやデュアルエナジー技術が進化

「Revolutionize CT Image Contest 2017」の紹介パネル

「Revolutionize CT Image Contest 2017」の
紹介パネル

 

●2018

●新製品「Revolution Frontier」や“Gemstone Spectral Imaging”などプレシジョンヘルスを支えるCT技術をPR
CTコーナーでは,「最新テクノロジーでCTにおける“個別化医療”を支えます」というテーマを掲げて,高分解能,高画質,dual energy CTの技術でプレシジョンヘルスをサポートしていく姿勢を示した。最新装置「Revolution Frontier」が展示されたほか,新サービス「e.Box(Smart Subscription)」,dual energy CT技術の“Gemstone Spectral Imaging(GSI)”などをPRし,来場者の関心を集めた。
2017年のRSNAで発表されたRevolution Frontierは,「Revolution」ファミリーでは,トップエンドの「Revolution CT」に続くハイエンド級の装置。X線管,検出器,再構成エンジンなどを刷新した。128列,幅40mmの検出器“Gemstone Clarity Detector”は,従来のものより小型になり,フルデジタル技術によりノイズを抑えたほか,個々の検出器モジュールを斜めにレイアウトすることで散乱線を低減し,高画質化が図られている。また,新開発のX線管“Performix HD Plus”は,ボールベアリングに代わるベアリング技術として,軸に細かなスリットを入れ,そこに液体金属を流す仕組みにして熱耐性を高めた。これにより,X線管の耐久性が従来の2倍となり,寿命を延ばすことができる。信頼性も向上し,長期間にわたって安定稼働する。さらに,Revolution Frontierは高精細モードの撮影が可能であり,空間分解能0.23mmの超高精細画像を得られる。
今回紹介されたe.Box(Smart Subscription)は,高価なCTを陳腐化させず長期間使用するための新サービス。CT本体と同時に導入されるコンソールを貸与形式にすることで,常に最新のアプリケーションが利用できるよう,自動的にソフトウエアが更新される。オプションのアプリケーションも導入後に変更可能なほか,CT本体を更新した後も使用することができる。また,コンソールPCが新しいアプリケーションに対応していない場合は,PCも更新する。まずは,国内で300台以上が稼働している「Optima CT660」を対象に,5月末からサービスを開始する。これにより,Optima CT660でも,逐次近似応用再構成法“ASiR-V”や金属アーチファクトを低減する“Smart MAR”などが使用できるようになる。近年,国内の医療機関におけるCTのライフサイクルの平均が10年を超えて長期化しており,このe.Box(Smart Subscription)によって常に最新の装置と同等の機能を使用できるようになるため,臨床,経営の両面で大きなメリットがあると言える。
また,dual energy CT技術のGSIも,ユーザーからの症例画像を紹介するなど,大々的にPRが行われた。dual energy CTは臨床現場に普及しつつあり,その適応も広がっている。今回は,「Advantage Workstation」に搭載された肝臓の脂肪占有率測定用のアプリケーション“GSI Live Fat”のデモンストレーションも行われた。
このほか,CTコーナーでは,ユーザーのインターネット投票によるイメージコンテストの作品がディスプレイで紹介されていた。

X線管,検出器,再構成エンジンなどを刷新した「Revolution Frontier」

X線管,検出器,再構成エンジンなどを刷新した「Revolution Frontier」

 

「Revolution Frontier」に搭載される“Gemstone Clarity Detector”

「Revolution Frontier」に搭載される“Gemstone Clarity Detector”

 

新開発のX線管“Performix HD Plus”のカットモデル

新開発のX線管“Performix HD Plus”のカットモデル

 

「e.Box(Smart Subscription)」はCTを陳腐化させず長期間使用するための新サービス

「e.Box(Smart Subscription)」はCTを陳腐化させず長期間使用するための新サービス

 

●2019

●ディープラーニングを用いて開発されたEdison PlatformのCT画像再構成アルゴリズム“TrueFidelity”
CTの展示エリアで最も注目を浴びていたのが,Edison Platformで開発されたCT画像再構成技アルゴリズム“TrueFidelity”である。今回のITEMに合わせて発表した,GEヘルスケア・ジャパンが最も力を入れてPRした展示の一つだ。
TrueFidelityは,ディープラーニングを用いて開発されており,従来の画像再構成技術とは一線を画している。CTの画像再構成技術は,近年医療被ばくへの社会的な関心が高まる中,低線量でも高画質を得るために,各社が力を入れて開発を進めてきた。GEでは,画像再構成技術として“ASiR”や“Veo”,両者を組み合わせた“ASiR-V”をCTに搭載し,医療被ばくの低減の貢献してきた。しかしながら,従来の画像再構成技術を用いたCT画像は,画質が読影する医師にとって違和感のあるテクスチャとなってしまい,特にノイズを低減すればするほど,その傾向が強くなってしまうという課題があった。
そこで,TrueFidelityでは,1970年代からCTを市場に送り出してきたGEがこれまで培ってきた画像再構成技術と,蓄積してきた画像データが生かされている。日本のエンジニアも参加しており,日本をはじめ,世界中の医師からのフィードバックを基に,FBP法で高線量で撮影した診断に適した画像を教師画像としてディープラーニングを行った。これにより,大幅に線量を落としても,高線量で撮影を行ったような鮮明な画質を得ることができる。また,全身の撮影に適用できるのも,TrueFidelityの特長である。特に,高い密度分解能が要求される頭部や腹部領域の検査で,画質を維持しつつノイズを低減し,読影する医師の負担軽減や診断能の向上に寄与する。放射線被ばくの感受性が高い小児検査でも大幅な被ばく低減が可能となる。
TrueFidelityは,ハイエンド装置の「Revolution CT」に搭載可能である。オプションとして提供されるほか,すでにRevolution CTを導入している施設には,アップグレードで対応する。Revolution CTは,RSNA 2013で発表され,2014年のITEMでお披露目された。高画質,ワイドカバレッジ,ハイスピードをコンセプトに開発され,その後,dual energy CT技術“GSI Xtream”を搭載するなど,進化を続けている。今回のTrueFidelityへの対応も,Revolution CTの大きな進化と言えるだろう。

Edison Platformの“TrueFidelity”

Edison Platformの“TrueFidelity”

 

“TrueFidelity”(右)は大幅にノイズ低減を実現

“TrueFidelity”(右)は大幅にノイズ低減を実現

 

“TrueFidelity”が搭載可能な「Revolution CT」

“TrueFidelity”が搭載可能な「Revolution CT」

 

●2022

●ワークフローを自動化して放射線部門の働き方改革を支援する最新CTのRevolution Ascend
ITEM 2022に合わせて発表した最新CTのRevolution Ascendは,日本のユーザーの意見を反映して,国内チームが開発を主導。製造も本社(東京都日野市)で行われており,日本の医療機関向けに最適化されたガントリ開口径75cmの64列CTである。ハイエンド装置のRevolution CTに採用された技術が惜しみなく投入されており,“Effortless Workflow”と呼ばれる検査の自動化技術や,Edisonプラットフォームで開発されたディープラーニング画像再構成アルゴリズムのTFIを搭載している。
Effortless Workflowは,検査前から検査後の画像解析までをAI技術ならびに自動化技術でサポートする。検査前には,寝台上の天井に設置したAI技術を用いた「Deep Learning カメラユニット」により,目的の撮影部位がアイソセンタになるよう自動で高精度のポジショニングを行い,スカウト画像を基に患者個々に合わせた最適な撮影パラメータを提案してくれる。これにより画質の向上も図れる。また,撮影前に画像解析を設定しておくことで,スキャン後には自動で処理が行われる。検査時の作業工程を簡略化し,業務の効率化が図れ,ワークフローを向上。放射線部門のスタッフの業務負荷を抑え,検査を標準化して,常に質の高い画像の提供が可能となる。また,広いガントリと検査時間の短縮は被検者の負担軽減にもつながる。さらに,TFIにより,低線量でも高画質を得られるようになったことも,被検者のメリットである。加えて,TFIはノイズ低減により診断しやすい画像を得られるため,放射線科医の負担軽減にもなる。

日本のユーザーの声を取り入れて開発した「Revolution Ascend」

日本のユーザーの声を取り入れて開発した「Revolution Ascend」

 

ポジショニングの自動化などを行うための「AI Deep Learning カメラユニット」

ポジショニングの自動化などを行うための「AI Deep Learning カメラユニット」

 

CT関連でのもう1つのトピックが,心臓CTのモーションアーチファクト抑制技術“SnapShot Freeze 2”である。従来のSnapShot Freezeは冠動脈のモーションアーチファクトをターゲットとしていた。その進化版となるSnapShot Freeze 2は,冠動脈のモーションアーチファクトを従来以上抑制できるようになったことに加え,弁や心筋など心臓全体の動きも抑えられるようになった。これにより,経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)などstructural heart disease(SHD)治療において有用な情報を提供できるようになった。

“SnapShot Freeze 2”はSHD治療に有用な情報を提供可能

“SnapShot Freeze 2”はSHD治療に有用な情報を提供可能

 

●2023

●世界最速0.23s/rotのガントリ回転速度を実現したRevolution Apex Elite
CTのコーナーでは,0.23s/rotという世界最速のガントリ回転速度を誇るRevolution Apex Eliteがお目見えした。Revolution Apex Eliteは,Revolutionファミリーの最上位機種に位置づけられ,GEヘルスケアがCTに求められる要素として定義する「高分解能(画質)」「高速化(スピード)」「カバレッジ(撮影範囲)」「物質弁別(機能評価)」「生産性(検査効率)」をハイレベルで実現している。高分解能画像の得るためのカギとなる検出器には,光応答特性が優れる「Gemstone Clarity Detector」を採用。秒間8914viewのデータサンプリングにより,高い空間分解能を実現するHigh-Resolutionモードでの撮影が可能である。また,撮影範囲はRevolutionファミリーのCTが誇る160mmとなっている。これに加えて,0.23s/rotの高速化が図られたことで,心臓など循環器領域での検査に威力を発揮する。心臓CTでは,モーションアーチファクトを抑制する「SnapShot Freeze2.0(SSF2.0)」を適応することで,冠動脈だけでなく,弁や心腔,心筋の明瞭な画像を得られる。PCIなどのインターベンションはもとより,経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)など構造的心疾患(SHD)に対する治療にも有用な画像を提供できるようになった。
機能評価のためのdual energy CTにおいても,Revolution Apex Eliteはアドバンテージを有する。1300mAの高出力X線管「Quantix 160 Tube」を採用し,管電圧のスイッチングに合わせて管電流を変調させる「Synchronized kV/mA switching GSI」による低keV画像やヨード密度画像の高コントラスト画像を取得できる。さらに,検査効率を上げるために,検査前から撮影後の画像解析までを自動化する「Effortless Workflow」の技術を搭載している。その一つDeep Learning カメラユニットは,寝台上の被検者を撮影して,そのデータを基に高精度のポジショニングを自動で行うことが可能。スカウト画像から最適なパラメータを推奨する。さらに,撮影前に画像解析を設定することで,速やかに自動処理を行う。
このほか,Revolution Apex Eliteは,AIを用いた技術として,ディープラーニングを用いて開発した画像再構成技術「TrueFidelity」を搭載。ノイズを抑えて低KeV画像における病変部の視認性などが向上する。
なお,Revolution Apex Eliteは,ITEM終了後の4月17日に「Revolution Apex Core」とともに販売を開始したことが発表された。

1300mAの高出力を持つ「Revolution Apex Elite」のX線管「Quantix 160 Tube」

1300mAの高出力を持つ「Revolution Apex Elite」のX線管「Quantix 160 Tube」

 

「Revolution Apex Elite」は「Deep Learning カメラユニット」によりポジショニングを自動化

「Revolution Apex Elite」は「Deep Learning カメラユニット」によりポジショニングを自動化

 

●2024

●画像再構成アルゴリズムTrue Enhance DL搭載のプレミアムCT装置Revolution Ascend Eliteを初披露
CT領域では,最先端の画像再構成アルゴリズムTrue Enhance DLをはじめとする3つのAIを搭載する64列128スライスのハイエンド装置Revolution Ascend Eliteが初披露された。Revolution Ascend Eliteは,2年前にリリースされたRevolution Ascendのガントリカバーやテーブスサイズを更新,最新の3Dカメラと画像再構成技術の2つのAIに加え,新たに開発されたTrue Enhance DLが初めて搭載された。
True Enhance DLは,「Revolution CT/Revolution Apex」シリーズにも搭載されているGemstone Spectral Imaging(GSI)技術を基に開発され,AI画像再構成技術により従来のsingle energy撮影による120kV画像データから仮想モノクロマチックイメージ相当(50keV相当)の画像を生成する。これにより,dual energy撮影装置がなくても,撮影プロトコルを変更することなくコントラスト向上や造影剤使用量の低減が可能となる。本技術は,同社CT技術部が2020年に国内の医療機関・研究機関と共同研究を開始。大規模なGSI臨床画像データの中からモノクロマチック70keVと50keVの画像データを教師画像として学習し,技術を確立したが,その過程で日本の臨床医からのフィードバックを取り入れつつ開発された。また,Revolution Ascend Eliteも日本の日野工場を中心に日本主導で開発が行われたことも併せてアピールされた。Revolution Ascend Eliteは,dual energy撮影装置の導入のハードルが高い市中病院などの施設や,生産性と収益,読影効率などの観点から装置更新を検討する施設への導入を図っており,すでに海外の数施設で臨床使用が開始されている。

最先端の画像再構成アルゴリズム「True Enhance DL」を搭載したCT装置「Revolution Ascend Elite」

最先端の画像再構成アルゴリズム「True Enhance DL」を搭載したCT装置
「Revolution Ascend Elite」

 

Revolution Ascend Elite搭載のAI 3Dカメラ

Revolution Ascend Elite搭載のAI 3Dカメラ

 

True Enhance DLで生成したイメージ

True Enhance DLで生成したイメージ

 

 

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