技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)

2024年8月号

Breast Imaging最新技術

受診者・操作者・読影者に“優しい”「Pe・ru・ru LaPlus」

2024年度診療報酬改定において,乳房トモシンセシス撮影への診療報酬加算が制定され,以前にも増してその注目度は高まりつつある。本稿では,「受診者と操作者への優しさ」をコンセプトとした当社Pe・ru・ruシリーズのトモシンセシス対応マンモグラフィ装置「Pe・ru・ru LaPlus」について紹介する。

●コンパクトサイズで管理が容易なFPD

X線管を左右に振る乳房トモシンセシス撮影において,大きいサイズのFPDを採用する傾向が強い。しかし,Pe・ru・ru LaPlusは約17cm×24cmのFPDを搭載しており,日本人女性に合わせたコンパクトな撮影台を実現している。それにより,受診者に肩を上げてもらうMLO(内外斜位方向)撮影の際も,無理のない体勢で撮影が行える。さらに,Pe・ru・ru LaPlusのFPDの大きさであれば,座位の撮影時も,撮影台が受診者の脚や腹部に干渉することがない。そのため,受診者のストレスを軽減でき,かつスムーズにポジショニングを行うことができる。
FPDの管理はシンプルで,直接変換方式ながらも装置非稼働時はFPD通電不要である。使用可能温度は22〜30℃,非稼働時は10〜40℃まで対応している。非稼働時は空調をつけずに運用している施設も多く,ランニングコスト削減につながっている。

●鮮鋭性の高いトモシンセシス画像

Pe・ru・ru シリーズはオートウインドウ,「Digital Compensation Filter(DCF)」「f-Proc」を用いて画像を最適化しており,これらの処理はトモシンセシス画像にも対応している。オートウインドウは,階調処理において,関心領域を適切な明るさとコントラストで表示して,より滑らかな階調を表現する。DCFは,高線量領域の黒つぶれや低線量領域の白とびを低減するための圧縮強度を調整する。それにより,スキンラインや乳腺外組織,乳腺と腫瘤の重なり部を見やすく補正する。f-Procは周波数帯域に応じた周波数強調を行い,石灰化形状を鮮明に描出して乳腺構造のコントラストを強調する。一般的に,トモシンセシス画像は1mm厚のスライスで表示するため,厚み方向の情報が少なくなることで,2D画像よりコントラストが低下する。だが,これらの処理を駆使することで,1スライス内の乳腺内外コントラストを向上させる。また,ピクセルサイズは2D画像,トモシンセシス画像共に85μmを採用している。これらによって,Pe・ru・ru LaPlusは高精細な2D画像とトモシンセシス画像を提供し,日々の読影業務をサポートする。

一般的名称:据置型デジタル式乳房用X線診断装置
販売名:乳房X線撮影装置 MGU-1000D MAMMOREX Pe・ru・ru DIGITAL
認証番号:224ADBZX00109000

 

【問い合わせ先】
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon/

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