CT被ばく半減プロジェクトへの変わらぬ取り組みと新世代ADCT「Aquilion ONE/GENESIS Edition」 
鷲尾 信宏(東芝メディカルシステムズ株式会社取締役専務)

*最後に講演動画を掲載

2016-12-22


鷲尾 信宏

新しい東芝メディカルシステムズと今後のCT事業

東芝メディカルシステムズは,2016年3月にキヤノン(株)グループへの参画が決定しました。日本国内においては公正取引委員会による独占禁止法のクリアランスが得られており,現在,海外主要各国の競争法規制当局の手続きが進められているところです。審査は順調に進捗していることが確認できており,社内においても統合に向けた準備を進めているところです。
東芝グループ離脱後も,現在まで変わらぬ経営が継続できているのも,医師,診療放射線技師をはじめとする関係各位のご支援のおかげと感謝しております。東芝メディカルシステムズのCT事業は,われわれの事業の根幹として,今後も技術開発,製品強化に取り組んでまいります。

国内CT被ばく半減プロジェクトの進捗状況

さて,東芝メディカルシステムズが2011年から進めてまいりました,国内CT被ばく半減プロジェクトは6年目を迎えました。2011年の本シンポジウムにて,逐次近似を応用した被ばく低減技術である「AIDR 3D」のCT装置への標準搭載をお約束し,その後,毎年,その進捗状況を報告してまいりました。この取り組みの結果,2014年には国内で稼働する全CT装置の4台に1台がAIDR 3D搭載のCTとなり,その後もその割合は増え続けています(図1)。東芝メディカルシステムズは今後も,経営スローガンである“Made For Life”の理念のもと,日本におけるCTの医療被ばく半減を実現し続ける企業でありたいと考え,継続して取り組んでいく所存です(図2)。

新世代Area Detector CT「Aquilion ONE/GENESIS Edition」

2016年4月,われわれのCT事業における最高機種であるAquilion ONEシリーズの中で「Aquilion ONEを超えるAquilion ONE」として,新世代Area Detector CT「Aquilion ONE/GENESIS Edition」を発売しました。Aquilion ONE/GENESIS Editionは,これまで培ってきたADCTの技術をさらにブラッシュアップし,最先端の画像再構成技術であるFIRSTを搭載することで,さらなる画質の向上と被ばく低減を可能にしています。今回のシンポジウムでは,Aquilion ONE/GENESIS Editionの最新技術の一端を紹介すると同時に,先進的な臨床応用について導入施設からご報告いただきます。
本シンポジウムは今回で6回目の開催となります。東芝メディカルシステムズのCT事業は,昨2015年に40周年を迎えましたが,さらなる進化,成長のためこれからもチャレンジを続けてまいります。

図1 国内におけるAIDR 3D搭載CTの搭載率

図1 国内におけるAIDR 3D搭載CTの搭載率

 

図2 東芝メディカルシステムズのめざす“Made For Life”

図2 東芝メディカルシステムズのめざす“Made For Life”

 

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