技術解説(AZE)
2016年7月号
3Dプリンティングの製品・技術紹介
AZE VirtualPlace / DICOMデータから3Dプリンタ用データ出力へのツール機能
3Dプリンタで扱うファイル形式は,STLが最も汎用的である。当社が販売する「AZE VirtualPlace」は,そのSTL出力に対応をしている。さらに,STL形式は単色であるが,複数カラーを保持できるVRML形式への出力も2015年より可能になった。特に,複数カラーの色設定は事前にテンプレート化することで,決められた配色で保存することができるようになっており,再現性の向上を図っているところに特長がある。
一般的に,DICOMファイルのボリューム画像から領域抽出を行うことは,医用画像解析ワークステーション(WS)が優れた性能を発揮する一方,サーフェス画像に変換され,STLファイルとなった後の工程の処理機能はCADソフトウェアが優れている。欲を言えば,領域抽出とSTL/VRML形式への変換はWS,その後のSTL/VRMLファイルの追加加工/修正はCADソフトウェア,三次元造形は3Dプリンタと役割分担させることが望ましい。しかしながら,現実的にそこまでの購入予算が取れず,すべてを満足に購入できないという声も聞く。
そこで,AZE VirtualPlaceは3Dプリンタを購入検討されているユーザー向けに,廉価で専用アプリケーション“3D STL”ソフトウェアの提供を準備している。ボリュームレンダリングとしてモニタ上で表現される閾値やオパシティという概念は,STLには存在しない。単純にマスクがあるかないかだけの問題なので,細かな画像解析機能を主眼とせず,三次元造形のための機能と割り切ってしまうことで,シンプルなインターフェースとした(図1)。また,STLファイルを保存するための手入力を減らし,決められた名称で指定場所へ保存する機能を用意し,取り違えリスクを軽減できるよう工夫をした。
今までの日常臨床における画像処理と3Dプリンタ向けの画像処理業務は似ている部分もあるが,大きく異なる部分もある。その違いをアプリケーションとして充足できるように当社も対応を進めている。
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