64列/128スライスCT「Philips Incisive CT」 × 医療法人社団CVIC 心臓画像クリニック飯田橋
世界トップクラスの検査数を誇る心臓特化型画像診断センターが実践する最新・最良の心臓画像診断 専門性の高い心臓検査に柔軟かつ高スループットに対応しハイボリュームイメージングセンターを支える「Philips Incisive CT」

2024-10-1

フィリップス・ジャパン

CT


医療法人社団CVIC 心臓画像クリニック飯田橋

心臓画像クリニック飯田橋は,2009年の開設から心臓画像検査の累計が7万3000件を超える,世界でも有数の検査数を誇る心臓特化型画像診断センターである。「一人でも多くの患者に最新,最良の心臓画像診断を届ける」という理念の下,診療を展開する同院の特徴や取り組みについて,高品質と高スループットの両立に貢献するフィリップスの「Incisive CT」の運用も交えて,寺島正浩理事長,髙村千智院長,放射線科の鈴木信司技師長にインタビューした。

心臓に特化することで多くの人に心臓画像検査を提供できる施設を開設

心臓画像クリニック飯田橋は,スタンフォード大学で心臓MRI研究に従事していた寺島理事長が,日本初かつ世界的にも珍しい心臓画像診断に特化した施設として2009年11月に開設した。1.5T MRI装置2台,CT装置1台,超音波診断装置などをそろえ,大学病院や循環器系クリニックなどからの紹介検査を中心に,自由診療として心臓ドックなどを提供している。心臓に特化した画像診断センターを開設した理由について,寺島理事長は次のように話す。
「私が研究を始めた2000年頃は心臓MRIの黎明期でしたが,当時から非侵襲的な画像診断に将来性を感じており,研究の成果を日本に還元したいと思い帰国しました。心臓は他部位の検査と比べてMRIで3〜4倍,CTで2倍ほどの労力と時間がかかりますが,日本の医療保険制度では点数に差がないため,経営的な観点から病院で多くの件数を行うことが難しいのが実情です。そこで心臓に特化して,心臓MRIと心臓CTを効率的かつ高スループットに行うことで,その課題を克服できると考え,最新・最良の心臓画像診断を多くの人に届けるために開院を決めました」
1日あたりの検査数は心臓MRIが約15件,心臓CTが約20件で,年間検査数は日常的に心臓検査を行っている病院と比べても約10倍に上る。多くのデータが集積される同院には,大学病院や国内外の企業から共同研究や治験のオファーも多く寄せられる。寺島理事長は,「これだけの心臓検査を行うハイボリュームイメージングセンターは,世界的に見ても10施設もないと思います。単一施設のデータのため撮影方法や画質が均一で,このようなデータはAI開発にも有用です。国内トップの検査数を有する施設として,データを有効活用して還元するために,共同研究にも積極的に取り組むことも大切だと考えます」と,同院の担う役割を説明する。

寺島正浩 理事長

寺島正浩 理事長

髙村千智 院長

髙村千智 院長

鈴木信司 技師長

鈴木信司 技師長

 

循環器内科医が治療につながる画像診断・診療を実践

診療の状況としては保険診療と自由診療が8:2で,常勤6名,非常勤1名の医師が中心となって診察・画像診断に当たっている。診療の特徴について寺島理事長は,「医師は全員が循環器内科医で,治療に結びつけるために必要な画像検査を判断できるスタッフが診療しています。もう一つの特徴が,検査後すぐに患者にフィードバックできるリアルタイム性です」と述べる。検査画像は,検査中に確定した画像から次々と画像サーバに転送される仕組みを構築しており,医師はリアルタイムに画像を確認し,必要に応じて追加撮像や画像処理を放射線科へオーダできる。寺島理事長は,「検査後5〜15分程度で患者さんに一次所見として結果を説明しています。患者さんとしては検査直後が最も結果を知りたい心境にあり,このタイミングを逃さずに説明することで,循環器疾患の多くを占める慢性疾患のマネジメントで重要な行動変容を促すことができます」と話す。

検査フローの改善と高速再構成でスループット向上に貢献

各モダリティを複合的に用いる心臓画像診断の中でのCTの役割について,髙村院長は,「冠動脈狭窄の陰性適中率がきわめて高いことに加え,動脈硬化の可視化や手術計画画像としての活用,急性期であればトリプルルールアウトに有用です」と説明する。同院では開院時より他社製CT装置を使用してきたが,更新時期を迎えたことから2023年1月に64列/128スライスCT「Incisive CT」に更新した。Incisive CTは,AIカメラを使用した自動ポジショニング機能「Precise Position」や,高速再構成が可能なAI画像再構成「Precise Image」,AIを活用した心臓専用のモーションフリー画像再構成「Precise Cardiac」を搭載する。寺島理事長は,「日々多くの検査をこなし,検査直後のフィードバックを大切にしている当院としては,検査のスピードを重視しています。その点においてIncisive CTは,検査フローを改善し,スピードアップにつながっていると感じます」と話す。
放射線科には7名の診療放射線技師が在籍し,月間約500件のCT検査をローテーションで担当している。大部分を冠動脈CTが占め,ほかに胸部大動脈を含めた撮影(約30件),アブレーション術前撮影(約50件)を行っている。鈴木技師長は,Incisive CT導入による検査フローの改善について次のように説明する。
「基本的に全例で自動ポジショニングを用いていますが,循環器領域のみということもあり再現性が高く,時間短縮につながっています。以前は心拍数65bpm以下にして撮影していましたが,ヘリカルスキャンのIncisive CTでは70bpm程度でも良好な画像を撮影でき,β遮断薬の使用頻度も低減し検査スループットが向上しています。また,冠動脈CTは拡張末期と拡張中期で5フェーズの画像を再構成しますが,画像再構成スピードが速く,看護師が次の患者の準備をしている間に7〜8分で完了します。検査フローの改善により,以前の装置では1時間に3件程度でしたが,現在は4,5件の検査を行えるようになりました」
不整脈や心拍変動があった場合など,必要に応じてPrecise Cardiacによる再構成を行い診断可能な画像を提供している。画質改善により解析にかかる労力と時間も削減できているという。

高品質と高スループットの両立に貢献するフィリップスのIncisive CT

高品質と高スループットの両立に貢献するフィリップスのIncisive CT

 

ハイボリューム検査を支える高い安定性と耐久性

Incisive CTは,専用に開発されたvMRC管球により耐久性を高めているほか,「Tube for Life」というコンセプトの下,X線管球の交換コストを大幅に縮小するプログラムを提供するなど,安定稼働や経営面にも貢献する特徴を有している。安定稼働において重要な要素であるサポートについて鈴木技師長は,「修理が必要な場合にも対応が迅速です。当院では『Ingenia 1.5T Evolution』など2台のフィリップス社製MRIも使用していますが,フィリップスのサービススタッフはCTとMRIの両方に対応でき,部品調達の体制もしっかりしているので,一度の訪問で対応が完了し,すぐに通常運用に戻れます」と話す。さらに,「対応後に詳細なアンケートが送られてくることから,フィードバックを改善につなげてくれているのだと感じます」とユーザーの声を取り入れる姿勢を評価する。
髙村院長は,「紹介検査を中心に毎日多くの検査を行う当院にとって“故障がない”ことは非常に大事で,Incisive CTはとにかく壊れない装置だと実感しています。耐久性があり安定的に稼働できることに加え,再起動が必要な時にも立ち上がりが非常に速く,検査スループットを妨げません。トリプルルールアウトにも対応するため救急領域にも適した装置だと思います」と述べ,Incisive CTがハイボリュームイメージングセンターを支える一翼を担っていると話す。

Incisive CTが提供する心臓CT

Incisive CTが提供する心臓CT

 

AIを活用したPrecise Cardiacの使用例

AIを活用したPrecise Cardiacの使用例

 

早期発見と予防にシフトし心不全パンデミックに立ち向かう

診療におけるCTの今後の活用について髙村院長は,「保険診療では,検査スループットとのバランスを見つつECV解析なども取り入れ,大学病院との共同研究にも力を入れていきたい」と話す。また,同院の今後について寺島理事長は,「独立した画像診断センターとして早期発見と予防により注力したいと考えています。心不全は症状が出る頃には進行しているため,症状がない段階で動脈硬化の初期の兆候をとらえて介入することが重要であり,それを可能にする最新・最良の画像診断を提供することを今後も追究していきます」と展望する。
今後は院内に心血管予防センターといった内部組織の立ち上げも検討しており,予防にフォーカスした体制を整えていく予定だ。先駆的に心臓画像診断に取り組んできた同院は,最新の知見と技術を取り入れながら,さらなる飛躍を遂げていくだろう。

(2024年8月9日取材)

 

 

医療法人社団CVIC 心臓画像クリニック飯田橋

東京都新宿区新小川町1-14 飯田橋リープレックスビズ 4F
TEL:03-5206-5956
URL:https://www.cviclinic.com

 

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