RSNA2008スペシャル

Siemens Healthcare(シーメンス旭メディテック)
 

■128列のデュアルソースCT「SOMATOM Definition Flash」のほか,MR,MIでも新製品が目白押し

シーメンスは“Ask the Ultimate Power in Imaging”を共通テーマに,同社の提供するソリューションが,ワークフローの改善やスループットの向上に大きく貢献することをアピールした。

シーメンスブース
シーメンスブース

CTブースでは,新たに発表されたデュアルソースCT「SOMATOM Definition Flash」(日本国内薬事未承認)が注目を集めた。デザインは,ガントリ開口径78cm,寝台のストロークが200cmと従来製品を踏襲しているが,昨年発表された1管球の128スライスCTと同じユニットが2器と100kWのX線発生器が2器搭載されたパワフルな装置となっている。ガントリ回転スピードも,従来の0.3msから0.28msへと向上。さらに,新たな技術として,2つの管球による二重螺旋スキャンを行う“スキャンスパイラル”が搭載された。従来よりも収集できるデータの密度が高いため,秒間43cmという高速なテーブルピッチを実現。例えば30cmの全肺を0.6秒,約12cmの心臓なら1/4心拍という,きわめて短時間での撮影が可能となった。このほか,新しい被ばく低減技術によって,デュアルエナジーでありながら,シングルエナジーと同等かそれ以下まで被ばく線量低減が可能となった。患者さんへのやさしさをコンセプトとして打ち出しており,それを表現する“ヘルシアCT”というキャッチフレーズに合わせて,植物や果物で飾り付けられたCT装置がブース中央に展示されるなど,来場者の目を引きつけていた。

SOMATOM Definition Flash
SOMATOM Definition Flash

ヘルシアCT
ヘルシアCT

AXブースでは,昨年のRSNAで発表され,次世代の血管撮影装置として注目を集めた「Artis zeego」が,今年も引き続き展示の中心となった。8つの関節でCアームの自在な動きを実現し,手術や緊急時でも有用性を発揮する。さらに今回は,血管撮影をより強力にサポートする,56インチの大型液晶カラーモニタを搭載(日本国内薬事未承認)。コントラストに優れ,モノクロ高輝度モニタと遜色のない高画質を実現しているほか,ライブ画像や生体モニタ,PACSの画像,IVUSの画像など全部で21種類の中から選んで,表示面積を変えて自由にレイアウトできることも大きな特徴だ。ワークステーションにおいても,DSAで撮影した画像をカラー表示し,血流量を可視化する新機能が搭載された(日本国内薬事未承認)。

このほか一般撮影装置では,臥位のワイヤレスFD(フラットディテクタ)と固定型の立位のディテクタを組み合わせた1管球2ディテクタシステム「Ysio」が初めて実機展示された。

 
Artis zeego
Artis zeego
Artis zeegoのパネル
Artis zeegoのパネル
   
Large Display
Large Display
ワークステーション
ワークステーション
   
Ysio
Ysio
 

Womens Healthブースでは,1.5T MRI「MAGNETOM Espree Pink」,超音波装置「ACUSON S2000」,FD搭載デジタルマンモグラフィ「MAMMOMAT Inspiration」,さらに,これらの情報を統合して診断することが可能なワークステーション「syngo BreVis」が紹介された。 ACUSON S2000は,乳腺撮影専用のユニット(日本国内薬事未承認)を組み合わせて使用することができる。必要な範囲設定を行えば,自動的に乳房のボリューム撮影を行うことが可能で,両側乳房が10分程度で撮影できるため,従来に比べて検査時間を大幅に短縮することができる。また,MAMMOMAT Inspirationは,新たに搭載されたトモシンセシス機能を中心に紹介された。

 
ACUSON S2000
ACUSON S2000
MAMMOMAT Inspiration
MAMMOMAT Inspiration

MRは今回,オンコロジーにおけるMRIの役割をテーマに展示を行った。Womens Healthでは乳がん,Mens Healthでは前立腺がん,さらにはその他のオンコロジーの3つが大きなテーマとして掲げられた。中でも注目は,Womens HealthのMAGNETOM Espree Pinkと,3T MR「MAGNETOM Verio」。MAGNETOM Espree Pinkは,従来のMAGNETOM Espreeをピンク色にカラーリングし,新しい乳房専用コイル(日本国内薬事未承認)と乳腺専用の解析ソフトウエアなどをパッケージにして,乳腺用MRIとして提供される。新しいコイルでは,乳房の大きさに合わせてコイルが調整できるほか,生検に対応するため側面を開放型にしてグリッドも搭載し,乳腺診断の一連の検査に柔軟に対応できる設計となっている。このほか,3Tとしては唯一70cmという広いガントリ開口径と,ガントリ長も最短の173cmを実現した「MAGNETOM Verio」が展示された。

 
MAGNETOM Espree Pink
MAGNETOM Espree Pink
MAGNETOM Verio
MAGNETOM Verio

MIブースでは新製品であるPET/CT「Biograph mCT」(日本国内薬事未承認)が展示の中心となった。従来よりもコンパクトな外観になっているが,将来的には放射線治療との連携を見通しており,治療のためのアクセサリをつけたままでも撮影が可能なように,開口径は78cmと従来よりも大きな設計となった。PETもCTも同社の最高クラスのものが搭載されており,PET/CTの撮影が約5分で終了するほか,CT単独での使用も可能であるなど,幅広い活用が可能になっている。CTは40,64,128スライスから選択できる。

Biograph mCT
Biograph mCT

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