シーメンスは,“Innovating every step
of your workflow”というコンセプトを基に展示を行った。ブース中央には,円形のステージが設置され,各カテゴリーの新製品が展示されていた。
新製品の中で,最も派手なアピールが行われていたのが,アンギオ装置のArtis zeegoである。この装置のアームは,ロボットの多軸駆動に着想を得て開発された多軸血管撮影装置で,同社では次世代のアンギオ装置と位置づけている。回転中心が固定されていないため,手技を行う際に,ベッドの高さを自由に変えることが可能。可動部分が8箇所もあり,細かな操作が行える。また,アイソセンターが自由になったことで,体幹部におけるDynaCTの撮影において,全肝の撮影などで,画像の劣化がなくなった。同社ではこれをLarge
Volume DynaCTと呼んでいる。
MRIは,1.5Tと3T装置それぞれで,新製品が登場した。1.5T装置であるMAGNETOM Essenza(国内薬事未承認)は,ガントリ内にIsoCenter
Matrixと呼ばれるコイルを内蔵したもので,体幹部の撮影で,コイルを装着することなく,撮像を容易にしている。これにより,スループットが向上し,検査効率やランニングコストという点で大きなメリットが出てくる。Timのアプリケーション搭載,同社の1.5T装置のラインナップの中では,中位機種として位置づけられる。
一方,3T装置では,MAGNETOM Verio(国内薬事未承認)が披露された。従来の3T装置に比べ,小型軽量化されており,大学病院,基幹病院以外の,今後販売ターゲットの中心となってくる中規模病院でも導入しやすくしている。開口径は70cmであり,被検者にとってもやさしい装置となっている。
CTでは,SOMATOM Definition AS(国内薬事未承認)が新製品として展示されていた。ASとは“adaptive
scanner”の略。回転速度は,0.3秒回転,開口径が78cm。ベッドにはIVR用のジョイスティックが装着されている。これは外してワイヤレスでも使用できる。64列の検出器とz-sharpテクノロジーにより128スライスを実現している。検出器の列数を増やさずに広範囲を撮影することを追求しており,4D画像やパーフュージョン画像の撮影にも威力を発揮する。また,Adaptive
Dose Shieldにより,被ばく低減を図っている。
また,核医学分野では,SPECT/CTのSymbia T16(国内薬事未承認)が発表された。これは,16スライスのCTを搭載したもので,SPECT/CTとしては,最上位機種になる。また,PET/CTでは,biographに64スライスCTを採用し,がん検出だけでなく,心臓のイメージングにも有用な装置になっている。
今回,シーメンスでは,ブレストケアにも力を入れて取り組んでおり,スクリーニングから精査,治療,フォローアップまでのトータルソリューションとして提案している。超音波装置では,アームを搭載し,トランスデューサのスキャンを自動化したSomoVu(国内薬事未承認),カラーバリエーションやバックライト照明などにも配慮したデジタルマンモグラフィMAMMOMAT
Inspiration(国内薬事未承認)を紹介していた。
Symbia T16
|
Artis zeego
MAGNETOM Essenza
SOMATOM Definition AS
SomoVu
|