“People Focused. Healthcare Simplified”という展示コンセプトを掲げたフィリップスの今回の目玉は,最新鋭のCTであるBrilliance
iCTである。今回のRSNAでワールドプレミアとなった。このCTの主な技術の到達点としては,新世代プラットフォームであるエッセンステクノロジーの搭載,0.27s/rotの高速スキャン,80mm(0.625mm×128)のワイドカバレッジを実現していることである。256列同等の性能を獲得しており,米国のメディアなどからは,256スライスCTとして紹介されている。デザインも高さが低くなり,横幅が広がって,左右に液晶パネルが装着されるなど,従来機種から大幅な変更がされている。エアベアリングを用いて高速回転を実現させたほか,X線管球も新開発しており,新開発のコンポーネントで構成されている。なお,エッセンステクノロジーは,64列MDCTにも搭載可能である。
MRIでは,コイルと被検者を同時に動かすMammo TrakをAchieva 3.0T Xシリーズと組み合わせて紹介していた。専用のベッドにコイルと被検者を乗せて,そのままガントリに運ぶことができる。コイルはバイオプシーが行えるよう,横が空いている。データ解析やバイオプシーのシミュレーション機能を持ったワークステーションと併せて使用することで,検査効率などの面で効果がある。また,32チャンネルコイルの開発も進んでおり,頭部,腹部の模型が展示されていた。このほか,自動処理機能であるSmartExamが従来の頭部だけでなく,脊髄,膝,肩にも対応するようになった。
アンギオ装置では,新開発のベッド,Xper tableを紹介していた。従来は,手動で動かしていたが,それに加え自動で移動させることができるようになった。それにより,位置の再現性やアイソセンターのゼロポジションに自動的にセッティングできるようになった。また,インターベンションツールと連動することも可能である。装置に設置されるモニタも3Dモニタになっており,三次元画像をより立体的に把握できるようになっている。Xper
tableと組み合わせて使うアプリケーションとしては,穿刺ガイドが行えるLive 3D Guidanceを紹介していた。
核医学では,PET/CT,SPECT/CT,SPECTを展示。注目を集めていたのはtime-of-flight(TOF)を利用し高速撮影を行うTOF-PET/CT,Gemini
TFであった。TOFにより高画質化が図られている。世界で60台販売しており,日本国内でも近いうちに発表される予定である。
フィリップスでは,このほかにも近未来の読影室も紹介しており,放射線科医の新しい業務スタイルを提案していた。
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Brilliance iCT
Mammo Trak
Xper table採用装置
Big Bore PET/CT
Reading Room 2020
Concept
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