モニタの常識・非常識

Q3 病院内のモニタ管理は誰が行うべきでしょうか?

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 ここ<大江戸病院>は500床の病院です。現在は放射線科医の読影診断のみ高精細モニタを使用していますが,来年度には病院全体をフィルムレス運用にしようと検討を行っているところです。

 では,放射線部門での武ちゃん(放射線科医)と奥ちゃん(診療放射線技師)の会話を聞いてみましょう。

武ちゃん:来年度,病院全体をフィルムレス運用にするらしいよ。

奥ちゃん:えっ! そうなのですか。ということは,外来診察室とかにも診断用のモニタを設置することになりますか?

武ちゃん:そうだろうね。私たち放射線科医3名でCR画像を含めたすべての画像を読影することは不可能だから,臨床医の先生にもモニタで診断してもらうことになるだろうね。

奥ちゃん:ということは,いま管理しているモニタは2連モニタが3セットの計6台ですが,これが100台以上になるということですか……。私一人ではとても管理できませんよ。

武ちゃん:改正医療法など,医療機器の適正管理が強く求められているご時世だから管理すべきだろうね。奥ちゃんがんばって!

奥ちゃん:毎朝,6台のモニタの"目視チェック"を行っていますが,100台を超えたらその作業だけで1日が終わってしまいますよ。

武ちゃん:そうだよね……。毎朝の “目視チェック” は,臨床医の先生にお願いすることにしよう! もちろん,私もこれからは行うようにするよ。でも,1年に1回行っている定期的な管理などの取りまとめは,今後も奥ちゃんがやってくれないかな。

奥ちゃん:でも,臨床医の先生が “目視チェック” を行ってくれますかね???

武ちゃん:まだまだ臨床医の先生に理解を得ることは難しいかもしれないけれど,根気良く啓発・教育していこうよ! 私も協力するから。

奥ちゃん:そこまで先生がおっしゃるなら私もがんばります! 定期的な管理も,100台をまとめて1年に1回行うのではなく,25台ずつに分けて4か月に1回にするとか考えてみます。

武ちゃん:担当者を増やすことも 検討する必要があるね。

奥ちゃん:担当者の人数については技師長と相談してみますが,この作業を業者に委託するということはできませんか? 診療放射線技師でなくてもいいのですよね。

武ちゃん:経費的に問題なければ委託でもいいし,もちろん他の職種の人でも問題ないよ。一番重要なことは,施設が責任をもって品質管理を行うということだからそれを忘れないでくれよ。

奥ちゃん:はい,わかりました。

奥田保男 岡崎市民病院情報管理室

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(月刊インナービジョンより転載)