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メディプラザは,2002年,東京都千代田区神田司町にオープンした。その目的は,医師が電子カルテなどの医療IT機器を導入する際のサポートをすること,医療ITの普及に貢献することであった。当時はまだ診療所向けの電子カルテの普及率が1%程度と言われていた。
このような状況の中,メディプラザは,企業サイドではなく,医師の目線に立って,医療IT製品を検討できる場としてスタートを切った。統括マネージャーの大西大輔氏は「展示会は,営業目的で行われていて,メーカーの営業担当者がいるなど,医師にとって見学しにくい面があったと思います。私たちは,メディプラザを医師が本当に自分に合った製品に巡り会う場にしたかったのです」と開設当時を振り返って説明する。 |
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スタート時は,23社の製品が展示されていたが,医療ITの普及が進むとともに,出展を希望する企業も増えてきた。また,地方在住の医師からの見学の要望も多く出てきた。そこで,新たに大阪(豊中市)と福岡(福岡市博多区)にも開設し,アクセス性を高めた。さらに,東京では,病院の医療IT機器を紹介するMEDiPlaza Hospitalを併設し,幅広い要望に応えられるようにした(図1)。
現在,メディプラザには,207製品が出展されている。内訳は電子カルテが最も多く,次いで画像ファイリングシステム(PACS),予約システムと続く(表1)。大西氏によると,診療所の電子カルテは,市場に出回っている製品の9割をとりそろえているという。メディプラザでは,これらの製品の検討がしやすいようさらに約40カテゴリに細分化している。豊富なラインナップから,自分にとって最適な製品を見つけることができるのだ。 |
図1 メディプラザ連絡先 |
表1 メディプラザ展示内容(東京) |
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図2 メディプラザ利用の流れ |
メディプラザを利用するには,まず電話またはWebサイトで予約する(図2)。ただし予約をしなくても見学は可能だ。見学時は受付をすませた上で,メディプラザのアドバイザーがヒアリングし,利用者の要望を整理して,製品の絞り込みを行う。そしてアドバイザーによる製品のデモンストレーションと利用者自身の操作体験が行われる。さらに具体的に導入を検討する場合,メーカーの担当者を紹介してもらう。実際に選定までには,利用者の多くが2,3回メディプラザを訪問し,自分に合ったシステムをとことん吟味するそうだ。
このようにしてメディプラザを利用してITクリニックを実現した件数は,毎年100件以上に上る。メディプラザが開設してからの7年間の累計の実績では,実に1000件近くにもなるという。また,近年では,以前メディプラザを利用して電子カルテを導入した医師が,画像ファイリングや予約システムの追加導入や電子カルテの買い替え目的で訪れるケースも増えている。 |
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メディプラザでシステムを選定する一番のメリットについて,大西氏は「アドバイザー全員が医療現場に精通しており,診療に沿ったアドバイスができます。なかにはデモンストレーションの能力が評価されて,メーカーの研修を担当しているアドバイザーもいるほどです」と説明する。こうしたアドバイザーの能力は7年間の活動の中で,医師とのやりとりによって鍛えられたという。近年,医師のITへの理解も高まり,要望も高度になりつつあるが,アドバイザーたちはそれに応えられるよう,日々研さんを積んでいる。
このような取り組みが先に挙げた導入実績につながり,さらには口コミで利用者数が増えていった。7年間で,約3万人がメディプラザを訪れている。最近では,診療所のレセプトオンライン請求をサポートするため,「メディプラザレセプトオンラインパック」というサービスも提供し始めた。これは,インターネット回線とセキュアなネットワーク設定をパッケージにしたもので,メディプラザの利用者の声から生まれたサービスだという。 |
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大西氏は,今後医療IT製品の拡充を図るとしており,歯科分野の製品なども増やしていきたいとしている。さらに,医療ITを検討する前の段階,つまり建物の建築や物件情報など,医師の多岐にわたるニーズに対応していくことも検討している。
一方,診療所におけるIT化の動向について,大西氏は,「診療の流れの中で,電子カルテだけでなくほかのシステム・機器を組み合わせていくプロデュース能力が大事になってくると思います。これまでのように単品買いではなく,システム・機器を組み合わせる連動買いが重要です。テーマは“コネクト”だと思います。院内のコネクト,院外のコネクトと広げていくことが地域連携にもつながっていくはずです」と話す。それだけに数多くの製品をとりそろえ,精通したアドバイザーがいるメディプラザの利用価値はますます高まっていくに違いない。
これからIT化に取り組もうとしている医師,そしてシステムの買い替えを検討している医師にとって,メディプラザを活用することは,ITクリニックを成功させるための第一歩と言えるだろう。 |
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