GEヘルスケア・ジャパン(株)は2012年8月21日(火),赤坂パークビル(東京都港区)にて,ウィメンズ・ヘルスケア セミナーを開催した。このセミナーは,少子化が進む一方,ライフスタイルの変化などにより女性の出産年齢が高齢化しているわが国において転換期を迎えている産科医療の最前線を,報道関係者に説明する場として設けられた。
開会にあたり挨拶した同社超音波本部長の多田荘一郎氏は,高齢出産が増えているが,医師不足などにより安全に出産できる環境が整っていないと,わが国の産科医療の現状について説明。その上で,コンパクト型「Vscan」が,東日本大震災被災地の周産期医療で活用されたケースを紹介し,今後も産科医療に貢献する技術開発に取り組んでいく同社の姿勢を報道関係者に示した。
続いて,昭和大学医学部産婦人科学教室の市塚清健氏が「高齢出産・少子化時代の妊婦を支える産科医療〜超音波が繋ぐお腹の赤ちゃんと両親の絆〜」と題して,産科医療の最前線について,事例を交えて紹介した。市塚氏は,「胎児の超音波診断は,母性や,胎動を感じない父親の父性を育むのに役立つ。また,胎児異常・胎盤異常・胎位異常などの妊娠リスク評価ができることで,産科医が減っている現状においても,さまざまな状況に対応でき,検査効率を上げる重要な役割を果たしている。さらに,出生前診断によって胎児異常があった場合に,妊婦や家族に情報を与えることで,それを受け止める時間を与えることが可能で,それにより受容段階に応じた対応ができ,出生時のショックを和らげることもできる」と説明し,産科医療において超音波診断装置は非常に有用であるとした。
最後に,同社超音波本部の重政みのり氏が,超音波診断装置「Voluson E8 HD Live」の紹介を行った。同機種には,胎児の立体像を,内視鏡画像のようにリアルに表現することができる“HD Live”や胎児に当てる光の照射方向を変えることができる“Light Source”という新技術が搭載されている。また,超音波診断装置用ワークステーション“ViewPAL”で作成したボリュームデータによる遠隔診断支援システムについて紹介した。
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