ソニー(株)は8月9日(木),手術顕微鏡用3DHDビデオカメラ「MCC-3000MT」の発売(発売日は9月17日)を発表し,同日には本社ビル(東京都港区)にて,MCC-3000MTを含めたメディカル3Dソリューションの説明会を開催した。
説明会では,最初に,同社メディカル事業ユニット メディカル・ソリューション事業部門長の津末陽一氏が,ソニーの映像制作分野で培った放送・業務用3D映像制作システムの紹介と,同社の医療分野との関わりについての概要を説明した。
続いて,ソニービジネスソリューション(株)メディカル事業部の中村貴真氏が,ソニーのメディカル3Dソリューションについて紹介した。ソニーは撮影・表示・補正・配信・記録・編集という3D手術映像ワークフローの要素の中で,今までは,補正(マルチイメージプロセッサーMPE-200)・表示(メディカル3DモニターLMD-2451MT)・編集(ノンリニア映像編集ソフトウェアVegasPro11)のみの取り扱いであった。今回発売した3D撮影のMCC-3000MT,同じく今年発売した,複数の映像や画像情報を1画面に合成する「イメージマルチプレクサーVMI-40MD」,HD術野カメラ映像と生体情報モニターの画像をブルーレイディスクなどへ長時間記録する「3DメディカルHDレコーダー HVO-3000MT」を組み合わせることで,手術室内,手術室外(医局など)へのリアルタイム配信,講義用途のための手術内容の編集を含めた3Dによるトータルソリューションが実現する。中村氏は,映像制作などの民生用分野で培った3Dの技術を活かして,メディカルの中でも主に脳外科・眼科における顕微鏡下手術,内視鏡向けに展開していくと述べた。
MCC-3000MTは,左右セパレートタイプのコンパクトなカメラユニット2台と1台のコントロールユニットで構成されており,3D撮影の際に発生する左右のカメラの色ずれやホワイトバランスなど,従来困難であった精密な調整を,1台のコントロールユニットで簡単に調整できる。
会場では,実際の手術室や医局などをイメージして高精細な3D映像を実際に見ることができるデモンストレーションが行われた。 |