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取材報告

2012
持田シーメンスとジョンソン・エンド・ジョンソン
心腔内超音波カテーテルを用いた不整脈診断・治療をテーマに合同セミナーを開催

奥村恭男氏(日本大学医学部附属板橋病院)
奥村恭男氏
(日本大学医学部附属板橋病院)

菊池秀一氏(持田シーメンスメディカルシステム)
菊池秀一氏
(持田シーメンスメディカルシステム)

松川勝之氏(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
松川勝之氏
(ジョンソン・エンド・ジョンソン)

超音波診断装置「ACUSON X300PE」
超音波診断装置
「ACUSON X300PE」

心腔内磁気センサー付き超音波カテーテル「SOUNDSTAR」
心腔内磁気センサー付き超音波カテーテル
「SOUNDSTAR」

3Dマッピングシステム「CARTO3システム」
3Dマッピングシステム
「CARTO3システム」

  持田シーメンスメディカルシステム(株)とジョンソン・エンド・ジョンソン(株)は,2012年2月27日(月)に大手町ファーストスクエア イーストタワー(東京都千代田区)において,「心腔内超音波カテーテルを用いた不整脈診断・治療への新たな展開」と題して合同プレスセミナーを開催した。
  これは,持田シーメンスメディカルシステム(株)が,ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)とのグローバルアライアンスにもとづき,日本初となる心腔内超音波カテーテルならびにシーメンス社製超音波診断装置に関する戦略的な事業提携を行うことになったことを受けて開催されたもの。当日は,日本大学医学部附属板橋病院循環器内科の奥村恭男氏による特別講演のほか,製品に関する技術紹介が行われた。

  日本初となる心腔内磁気センサー付き超音波カテーテル「SOUNDSTAR」(ジョンソン・エンド・ジョンソン)は,2011年10月に保険適用となり,臨床への導入が広がりつつある。カテーテルの先端に超音波を送受信する64素子のトランスデューサを内蔵し,心臓・大血管の解剖学的構造や生理機能の画像化を,心腔内・管腔内から行うことができる。手元の操作で,カテーテル先端の左右前後への屈曲が可能。磁気センサーにより,正確な位置情報を取得可能なため,同社の3Dマッピングシステム「CARTO3システム」に接続することで,リアルタイムな3Dマップを作成し,心臓の解剖情報と電気の流れを視覚化することができる。従来のカテーテルアブレーションは,透視と心内心電図を解析・マッピングして施行するため,手技に時間を要し,被ばくや術者・患者ともに負担が多いことが課題であったが,心腔内超音波カテーテルを用いることで,治療手技の有効性,安全性の向上が期待される。
  また,SOUNDSTARと接続可能な,シーメンス社の心腔内超音波カテーテル対応超音波診断装置「ACUSON X300PE」は,同社の汎用型“X class”の装置で,高画質プローブや壁運動のベクトル表示・解析機能,駆出率・心拍出量・容積変化曲線などの値の自動算出機能などを搭載している。バッテリーオプションで,起動時間・シャットダウン時間を大幅に短縮することができ,検査の効率性,ポータブル性の高い装置である。

  セミナーでははじめに,持田シーメンスメディカルシステム(株)代表取締役CEOの菊池秀一氏と,ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)メディカルカンパニーバイオセンスウェブスター事業部長の松川勝之氏が挨拶に立った。
  菊池氏は,ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)との事業提携に基づいて,日本初となる心腔内超音波カテーテルを用いた不整脈診断・治療技術の日本市場への本格的な導入を行っていくことを報告し,シーメンス社が開発した心腔内超音波カテーテルの概要を紹介した。
  続いて松川氏が,わが国において大きな課題となっている不整脈治療,特に頻脈性不整脈に対する治療について概説し,薬物療法から“根治”治療が特徴のカテーテルアブレーションへと進化してきた過程を紹介した。そして,心腔内超音波カテーテルが,より確実で安全なカテーテルアブレーションに貢献することへの期待を述べた。

  特別講演では,奥村氏が「不整脈診断・治療に対する心腔内超音波カテーテルの有用性」と題し,心腔内超音波カテーテルの使用経験や有用性について講演した。不整脈診断・治療について,また,カテーテルアブレーションが適応となる頻脈性不整脈の治療の歴史とカテーテルアブレーションの原理について説明した奥村氏は,頻脈性不整脈のなかでも,脳塞栓症の原因となり,患者数が増加傾向にある心房細動を取り上げて解説した。心房細動のアブレーションは,複数箇所の焼灼が必要な場合が多く,一般的に難しいとされており,その成功率は一般的な不整脈の成功率の90%程度と比べ70〜80%と低い。奥村氏はこの要因について,従来の透視によるモニタリングでは解剖学的情報を把握しにくいため,焼灼が不十分になることを挙げた。その上で,2000年に発売された3Dマッピングシステム「CARTOシステム」が,正確な解剖情報を得るために有用であり,さらに,CT画像との融合機能や心腔内超音波カテーテルの登場により,より有益な画像をリアルタイムに得られるようになっていると述べ,実際の使用経験について画像を示しながら報告した。また,心腔内超音波カテーテルと3Dマッピングシステムを併用するメリットとして,一般的な手技であるBrockenbroughの安全な施行や,カテーテルの接触や焼灼領域の確認,合併症の防止や早期発見,心筋梗塞後の梗塞部の確認,大動脈弁の描出などを挙げ,リアルタイムに正確な画像を描出することで,心房細動をはじめとした複雑な解剖学的アブレーションの成功率,安全性が向上するであろうと述べた。


●問い合わせ先
持田シーメンスメディカルシステム株式会社
マーケティング部
TEL 03-5423-8700
http://msm.mochida.co.jp
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
メディカルカンパニーコミュニケーション部
TEL 03-4411-7155


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