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取材報告

2012
地域医療福祉情報連携協議会
災害に強い医療IT体制構築のための「4原則」を発表

田中 博会長
田中 博会長

  地域医療福祉情報連携協議会は,2月4日(土)に第3回シンポジウムの開催に先立って田中博会長が会見を行い,東日本大震災の被災地の教訓をもとに災害に強い医療IT体制構築のための「4原則」をまとめ発表した。キーワードを「もう失くしたくない!私のカルテ」として,災害大国である日本において強靱で継続性のある医療IT体制構築を可能にする,基準となる考え方を協議会としてまとめた。

  「4原則」は、被災地での教訓をもとに医療システムの構築を、圏域や階層に分けて考えるもので
1. 全圏域=クラウド型情報センターの設置(災害でもデータが喪失しない)
2. 2次医療圏=地域医療情報連携システムの構築(医療情報の相互共有)
3. 沿岸診療所=ASP型電子カルテの装備(手軽で安価な共同利用型)
4. 町村域=医療・介護・生活支援の地域包括ケア支援(在宅も含めた日常生活圏包括ケア)
となっている。

  田中会長は,「東日本大震災では,多くの医療機関が被災し紙カルテが流されたり,処方された薬がわからないという状況が発生した。電子カルテについても一部医療機関ではバックアップによって診療データが復旧できたという“光”もあったが,ほとんどがスタンドアローンで運用されていたためデータが失われるという“影”の部分がはっきりした。今後の復興では,4原則のそれぞれの圏域ごとに階層的に最適化した医療ITを導入することが重要になる。日常生活圏では医療・介護などを包括してタブレットPCなどを活用したシステムが必要になると思われるし,全県域では疾患別クリティカルパスや生涯健康医療電子記録(EHR/PHR)を視野に入れたセンター化が必要で,それぞれを重層化して再生・復興プランを作ることが必要だ」とコメントした。

  同協議会は,地域における医療・介護・健康・福祉の情報連携構築の協働体制を構築することを目的に昨年1月に発足したが,直後に東日本大震災が発生し,厚生労働省などと連携して被災地の復興と医療IT体制の見直しを継続的に支援してきた。同協議会では,今回の4原則を基本として宮城県と福島県での医療情報連携体制の構築を支援していく。


●問い合わせ先
地域医療福祉情報連携協議会
株式会社シード・プランニング内
TEL 03-3835-9211
E-mail : info@rhw.jp
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