第28回日本医学会総会の企画である「わかろう医学　つくろう！ 健康 EXPO2011 ウェブ＆体験 博覧会」の体験博覧会が，2011年6月24日（金）〜26日（日）の3日間，科学技術館（東京都千代田区）で開催された。この企画は，当初日本医学会総会の開催が予定されていた4月に，東京ビッグサイトを会場に行われることになっていたが，東日本大震災の影響により，時期，形態，内容を変更して開かれた。

　 体験博覧会は，一般向けの内容となっており，医療と健康についての基本的な知識を学べる「わかる」，医療の進歩の現状と最新状況を紹介する「とりくむ」，医療や健康の未来を考える「つくる」の3つのテーマに分けてコーナーが設けられた。このうち，「わかる」のコーナーでは，協賛した一般社団法人日本ラジオロジー協会（JRC）が「みえる わかる なおる放射線医療」と題して展示を行った。展示のプログラムではCT，MRIなどの画像診断装置の原理や仕組みを解説するDVD「放射線医療の現場で活躍する装置たち」が上映されたほか，放射線科医の仕事の内容を紹介したり，人体のVR画像をモニタで閲覧できる端末の操作体験，X線の発見や画像診断装置の開発などの歴史をパネルにした「放射線医療の歴史」などで構成された。

　 また，「とりくむ」のコーナーでは，メタボリックシンドロームの改善をテーマにした展示や放射線治療などのがん治療の最新情報が紹介された。このほか「健診体験コーナー」が用意され，頸動脈エコーや内臓脂肪測定などの項目から，2つを選んで実際に受診体験ができるようにされていた。

　 「つくる」のコーナーでは，協賛する一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会（JAHIS）が，「地域の絆を支える医療IT」と題した展示を行った。JAHISの展示では，連日お笑いタレントが登場した「健康お笑い劇場」が行われたほか，アニメ「赤ひげ先生の未来見聞録」が上映された。これ以外のプログラムとして多目的ステージでは，粒子線治療をテーマにした講演など，国民に関心の高いテーマを取り上げるプログラムが用意された。

　 体験博覧会は，期間中，大人だけでなく小学生などの子ども多く来場し，盛況となった。なお，ウェブ博は9月末までの期間で行われており，こちらも3つのテーマに沿ってコンテンツが用意されている。