5月19日(木)〜21日(土)の3日間,青森市文化会館とホテル青森を会場に,第40回日本インターベンショナルラジオロジー学会(以下,日本IVR学会)が開催されている。会長は淀野 啓氏(財団法人鳴海研究所清明会 鳴海病院院長)。「IVRの標準化と達人への道」をメインテーマに,シンポジウム6題,特別講演4題,教育講演5題,テーマ別の技術教育セミナー,ポスター展示,機器展示などが設けられたほか,総演題数が400を超え,過去最大となった。
東日本大震災後に多くの放射線関連学会が中止となるなか,震災からわずか2か月で青森県での開催に至ったことは,大変意義深いものと思われる。小誌のインタビューに対し,淀野会長は次のように述べている。
「3月11日は,まさに本学会のプログラム編成の最終段階であり,われわれとしては,学会開催を前提にプログラムを完成させなければならないという状況でした。1か月は様子を見ることとし,ホームページには予定通り開催と掲載しましたが,“開催は軽々ではないか”との意見があったことも事実です。しかし,このような状況であるからこそ,日常を乱さず通常通り開催することが重要であり,また,疲弊する地域経済にとって,少しでも支援になればとの思いもありました。今回,第40回という節目の総会を開催するにあたり,“標準化と達人への道”をテーマとしました。ここ数年,各学会の努力によって,各疾患の診療ガイドラインが整備されています。しかし,IVRの標準化については決して十分とは言えないため,本学会ではガイドライン委員会を組織し,他科からの評価に耐えるガイドライン作りに取り組み始めています。一方,IVRは技術の研鑽がきわめて重要であり,それにより,新しい技術を生み出す必要があります。この標準化と達人への道を究めることで,専門医のレベルアップを図ることこそが,将来のIVRの進歩につながると考えています」
19日には,シンポジウム1で標準化に向けた方策が議論されたほか,シンポジウム2,3では達人への道をテーマに肝がんおよび門脈圧亢進症に対するIVRの検討が行われた。
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