GEヘルスケア・ジャパン（株）とソフトバンクテレコム（株）は，“地域医療連携など国内の医療課題の解決・患者のQOL向上に向けた第一歩”として，医療IT事業提携ならびにデータホスティング事業に関する記者発表会を2011年3月1日（火），ANAインターコンチネンタルホテル東京（東京都港区）にて行った。両社は医療IT事業で提携し，その第一弾として，クラウドコンピューティングを活用したデータホスティング事業の共同展開を2011年9月1日から予定している。大手ヘルスケア企業と国内トップクラスの通信会社による共同のデータホスティング事業は国内初であり，加えて本事業はGEヘルスケア・ジャパンにとって最初のデータホスティング事業，ソフトバンクグループにとっては初の医療用データホスティング事業となる。
まず，GEヘルスケア・ジャパン（株）代表取締役社長兼CEOの熊谷昭彦氏が，「GEヘルスケアが推進する「ヘルシーマジネーション」」と題して，同社が掲げる“healthymagination”について説明し，“医療コストの削減”“医療アクセスの拡大”“医療の質の向上”を軸とした今後の事業展開の方向性を概説した。
次に，ソフトバンクテレコム（株）代表取締役副社長兼COOの宮内 謙氏が，わが国の医療現場におけるさまざまな課題を解決すべく，今回の提携により医療現場のICT（Information and Communication Technology）化を進め，将来的には検査画像，投薬情報，診療情報，健康情報などすべての医療情報を統合したインタークラウドシステムを構築したいと述べた。そして，まずデジタル化した医療情報の共有化を実現するような共通基盤の確立を図り，段階的に展開していきたいとした。また，医療業界で広く活用されはじめてきたiPad/iPhoneなどのデバイスや，2010年にグループ企業となった（株）ウィルコムが持つ医療機関におけるチャネルを，医療情報統合インタークラウド構築のために生かしていきたいと述べた。
続いて，GEヘルスケア・ジャパン（株）ヘルスケアIT本部本部長の大塚孝之氏が，「医療画像データホスティングサービスの取り組みについて」と題し，データホスティング事業の仕組みなどについて説明を行った。近年のIT技術の進歩により，膨大に増え続けるCTやMRIなどの検査画像の保管のための手段として，クラウド型データホスティングに対するニーズが増加しているという。これに対し，同社の短期ストレージと長期アーカイバーからなる2ティア型PACS（Centricity PACS）が，まさにクラウドサービスに適しており，ソフトバンクテレコムが持つネットワークとデータセンターとの一体提供により，両社の強みを生かしたサービスを提供できるとした。今後の展開としては，同事業を基盤に，中小規模病院や診療所に向けたPACSのASP（application service provider）サービスや，医療機関間で医療画像を相互活用できるサービス提供を事業化し，地域医療連携・遠隔画像診断のプラットフォームとしての活用を図り，ひいてはPHR（Personal Health Record）の普及に貢献していきたいと述べた。
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