「第14回全国X線CT技術サミット」が7月24日(土),ラフレさいたまにおいて,「造影理論−簡単そうで難しい肝臓造影検査−」をテーマに開催された(共催:全国X線CT技術サミット,第一三共株式会社,協力:月刊インナービジョン)。代表世話人は造影理論の第一人者である八町 淳氏(長野赤十字病院)が務めた。会場は第一会場と第二会場の2か所に分かれ,第一会場での講演の様子が第二会場にも中継された。全国からは700名以上が参加して両会場ともほぼ満席となり,会場は活気にあふれた。
今回のテーマとなった造影検査は,最適な造影法,造影剤用量,スキャン法などはもとより,CT装置性能や検査目的,循環動態などに対する幅広い理解が求められる。そこで,本サミットでは,特に肝臓造影検査に焦点を絞り,高木 卓氏(千葉市立海浜病院)の総合司会により,午前中には肝臓造影検査の基礎知識に関する教育講演4題が行われた。また,協賛メーカー8社によるランチョンセミナー:メーカープレゼンテーションを挟んで,午後には,放射線科医と診療放射線技師がそれぞれの立場で考える肝臓造影法をテーマとした特別講演2題が行われた。各々の立場や造影検査で得られる画像に対する考え方の違いによって,必要とする造影剤用量なども異なってくることから,造影検査においては医師と技師のコミュニケーションが特に重要となることが再認識される内容であった。最後に行われたシンポジウムでは,本サミットのテーマでもある「簡単そうで難しい肝臓造影検査」をテーマに,4名のプレゼンターが各施設における肝臓造影検査のポイントについて講演した後,その4名に加えて特別講演の演者2名の計6名のシンポジストが,本サミットの参加者から事前に寄せられた肝臓造影検査に関する質問に対して回答する形で進められた。至適造影剤用量や造影法などに関する質問が多く寄せられたほか,門脈相撮影の必要性などに関する質問もあり,肝臓造影検査には多くの検討課題が残されていることが示唆された。
一般演題(ポスター)については,今回は15題のポスター展示が行われ,講演終了後に表彰が行われた。世話人と実行委員による審査の結果,4題(金賞,銀賞,銅賞,デザイン賞各1題)が選ばれ,同サミット代表世話人の辻岡勝美氏(藤田保健衛生大学)から表彰状が授与された。
次回の第15回全国X線CT技術サミットは,2011年8月6日(土),福岡国際会議場にて,「CT innoavtion〜最新医療を支えるCT技術〜」をテーマに開催される予定である。当番世話人は小川正人氏(産業医科大学病院)が務める。
*なお,今回の第14回全国X線CT技術サミットの講演内容は,小誌10月号の特別報告で特集します。詳しくは10月号をご覧ください。
一般演題(ポスター展示) |
協賛企業の展示会場
AZE,アミン,コドニックス・リミテッド,シーメンス・ジャパン,GEヘルスケア・ジャパン,東芝メディカルシステムズ,根本杏林堂,日立メディコ,フィリップスエレクトロニクスジャパン,第一三共 |
会場風景 |
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