(株)AZEは6月18日(金),ウェスティンホテル大阪において「Innovative AZE 2010 OSAKA」を開催した。同社は,ワークステーションを使用した最新の画像処理技術と臨床現場での利用方法などの啓蒙と普及を図るため,毎年全国各地で本セミナーを開催しており,今回は約70名が参加した。座長は大阪大学大学院医学系研究科放射線統合医学講座教授の富山憲幸氏が務め,2題の講演が行われた。
王子会 神戸循環器クリニック診療科長・循環器内科の福家啓起氏は,「ワークステーションを駆使した診療の可能性」と題して講演した。心臓カテーテル検査におけるワークステーション(WS)の活用法や,心臓カテーテル検査室でWSを操作しながら行うPCI(経皮的冠動脈形成術)のメリット,病変の性状分析やアプローチ法,不整脈解析(CRT,アブレーション)など,循環器クリニックならではの臨床現場でのWSの活用法を説明したほか,AZE展特別賞受賞に関するエピソードを述べた。
神戸大学医学部附属病院放射線部長・特命准教授の大野良治氏は,「MDCTにおけるCOPD評価の現状と将来展望」と題して講演した。慢性肺疾患の中で最も多く認められる慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)について,病態生理や病理像を示しながら,その画像評価方法や,定量評価を簡便に行うために有用な同社の肺解析ソフトウェアの臨床的有用性について述べた。また,肺解析ソフトウェアの臨床的有用性をより高めるための最新の研究成果について報告した。
本セミナーの最後には,同社取締役副社長の相澤光広氏が挨拶に立ち,2011年に「第2回AZE展」を開催することが発表された。相澤氏は,今後も画像診断におけるWSの臨床的役割の確立をめざしていきたいと抱負を述べた。 |