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取材報告

2010
第18回日本乳癌学会学術総会
「Heart and Science」をテーマに札幌で開催

■ 日本乳癌学会学術総会
■ 企業展示

札幌での開催は25年ぶり(前回は乳癌研究会)
札幌での開催は25年ぶり
(前回は乳癌研究会)

メイン会場風景
メイン会場風景

平田公一 会長
平田公一 会長

シンポジウム1座長の岩田氏(右)と岩瀬氏
シンポジウム1座長の岩田氏(右)と岩瀬氏

ロビーで行われた企業展示は盛況
ロビーで行われた企業展示は盛況

ポスター会場の様子
ポスター会場の様子

   第18回日本乳癌学会学術総会が,6月24,25日の2日間,平田公一氏(札幌医科大学外科学第一講座)を会長として,札幌市のロイトン札幌・さっぽろ芸術文化の館で開催された。テーマは「Heart and Science―多様性の認識、本質の追究」。日本乳癌学会は,罹患者の増加や注目度の高まりもあって,乳腺外科や内科などの医師や看護師を中心に会員数9000名を超える学術団体となっている。

  プログラムは,理事長・会長講演,招待講演(国内外)3題,特別講演3題,プレジデンシャルシンポジウム3題,シンポジウム4題,パネルディスカッション3題,ワークショップ3題など。

  会長講演では,「高質な専門医育成を願って−信頼・期待に応え、未来医療への貢献のために」と題して,平田会長が乳腺専門医制度の確立と発展に取り組んできた経緯とこれからの課題を講演した。日本乳癌学会では,乳癌診療の質を向上し社会に貢献することをめざして,世界的にも他国にはない“乳腺専門医”の呼称で専門医認定制度を2004年から実施している。平田会長はその立ち上げに尽力したが,講演では当時の乳腺診療の実態と専門医制度の目的と将来像のバランスをとるため,認定に必要な条件設定に苦労したことを紹介した。その上で,これからの専門医制度のあり方として,より高度で専門性の高い乳癌診療を担う役割として,基礎研究を含めた教育・研修体制の充実と施設や個人の客観的な評価を行い,制度自体を外部から検証できるような仕組みが必要だと提案した。

  シンポジウム1は,「乳癌のバイオロジーと臨床−診断と治療への応用」(座長:熊本大・岩瀬弘敬,愛知県がんセンター中央病院・岩田広治)で,乳癌のバイオロジーの解明が進む中で,その成果を診断や治療という臨床に生かしていくか,最新の研究と知見をもとにした発表とディスカッションが行われた。

  そのほか,教育セミナー「再発乳癌に対する治療」や看護,病理,画像診断のセミナーなど幅広いプログラムが行われた。また,企業との共催企画としてランチョンセミナー20題,サテライトシンポジウム9題,モーニングセミナー8題があった。

  次回(第19回)は大内憲明氏(東北大学)を会長として,2011年7月1日(金)〜2日(土),宮城県仙台市の仙台国際センターほかで,「Challenge to the Future〜未来のために,今できること」をテーマに開催の予定となっている。



企業展示

企業展示は,アストラゼネカ,ファイザー,大鵬薬品などの製薬関連,日立メディコ,GEヘルスケア・ジャパン,シーメンス,シスメックスなど診断機器・システム関連,アデランス,ワコール,スヴェンソンなどの治療支援や患者のQOL向上のためのアイテムを扱う企業など62社が出展。

■日立メディコ  (inNavi Suite はこちらから)

デジタルマンモグラフィ「Selenia」と超音波画像診断装置「HI VISION Preirus」の乳腺のアプリケーションを中心に実機を含めて展示した。画像診断機器の実機展示は数少なかったため,マンモ・超音波の実機をそろえた展示は注目を集めていた。Seleniaでは,ステレオバイオプシーが可能な乳腺バイオプシーアダプタや高精細モニタによる高画質画像を紹介していた。超音波では,Preirusの乳腺領域のRVSなどのアプリケーション,乳腺専用探触子「Mappie」を展示した。また,25日には「Digital Breast Tomosynthesis」をテーマにモーニングセミナーを開催した。

デジタルマンモグラフィ「Selenia」
デジタルマンモグラフィ「Selenia」
HI VISION PreirusとMappieを展示
HI VISION PreirusとMappieを展示

■GEヘルスケア・ジャパン  (inNavi Suite はこちらから)

マンモグラフィのワークステーションと,超音波を2か所のブースで展示。マンモでは,同社のデジタルマンモグラフィ装置の画像を表示するビューワ「SenoAdvantage(セノアドバンテージ)2.2」を紹介した。マンモ専用ビューワとして,操作用の専用キーパッド,乳腺内のコントラストを最適化するPremium View(最新バージョンでは、マンモグラフィ装置本体でも可能),オプションで搭載されるCAD(iCAD)の機能などをアピールした。また,超音波では,最高機種のLOGIQ E9の三次元ビームフォーミングを実現したActive Matrix Arrayプローブ,MRI画像と連動して超音波画像の比較が行える“Volume Navigation機能”,3Dプローブによる“Volume Imaging”など,乳腺診断や治療に活用できる機能やアプリケーションを中心に展示した。

マンモビューワSenoAdvantage2.2
マンモビューワSenoAdvantage2.2
LOGIQ E9の乳腺対応機能を紹介
LOGIQ E9の乳腺対応機能を紹介

■シーメンス・ジャパン (2010年7月1日,シーメンス旭メディテックより 社名変更) (inNavi Suite はこちらから)

デジタルマンモグラフィによる断層撮影を行うことで三次元的な画像収集を可能にするデジタルトモシンセシスをモニタを使って展示した。トモシンセシスでは,管球を-25°から+25°まで移動しながら25回曝射してロウデータを取得し,再構成したボリュームデータで読影を行う。MAMMOMAT Inspirationに搭載し販売を開始しているが,同時に国立がん研究センターと臨床での有用性について研究を進めており,25日にモーニングセミナーで「3D Digital Tomosynthesis」として報告があった。

デジタルトモシンセシスを紹介
デジタルトモシンセシスを紹介

●問い合わせ先
日本コンベンションサービス(株)北海道支社内
TEL:011-738-3503 FAX:011-738-3504
E-mail:18jbcs@convention.co.jp