GEヘルスケア・ジャパン(株)は5月31日(月),グランドハイアット東京(東京・港区)において,エコノミスト誌を発行しているイギリスのザ・エコノミスト・グループとともにヘルスケアの最新トレンドを共有・議論する場として,「GE ヘルシーマジネーションデイ2010―成長の源泉としてのヘルスケア構築に向けて」を初めて開催した。
現在,世界は,少子高齢化や医療費の高騰,医療の格差など,さまざまな困難に直面している。こうした課題の解決に向け,GE社は2009年,ヘルスケアに関するグローバル戦略として「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」を掲げ,2015年までに100以上のイノベーションの実施と,それに対する60億ドルの投資を行うことで,身近で質の高いヘルスケアをより多くの人々に提供することをめざしてきた。そこで本イベントでは,ヘルシーマジネーションの現状での成果を報告するとともに,ヘルスケアを取り巻く最先端の動向について,同社役員による講演,および政府関係者や医療関係者,企業役員,研究機関関係者などによるパネルディスカッションを通じて活発に議論された。
GE会長兼CEOのジェフリー R. イメルト氏は,「GEヘルシーマジネーションの取り組み」と題して基調講演を行い,高齢化社会は政府や医療産業にとって非常に大きなチャンスであると述べるとともに,ヘルシーマジネーションを通じて経済成長や高齢者の生活の改善などに貢献していきたいと述べた。
GEヘルシーマジネーション担当副社長のマイク・バーバー氏は,「高齢社会とGEヘルシーマジネーション」と題し,アルツハイマー病と関節リウマチを例に挙げて,シルバー社会をゴールド社会に変えるためのヘルシーマジネーションの取り組みや成果について報告した。
また,パネルディスカッションTでは,研究者らを中心に,「高齢社会に対応する地域・街とは?」をテーマに,高齢者の実態や真のニーズなどについて議論されたほか,パネルディスカッションUでは,「ビジネスリーダー・ビジョン」をテーマに,イメルト氏と,ソフトバンク(株)代表取締役社長の孫正義氏,武田薬品工業(株)代表取締役社長の長谷川閑史氏が,日本の高齢化社会の可能性や医療産業の進むべき方向性,さらなるIT化推進のための施策などについて,活発に意見交換を行った。
本イベントの模様は,オープニングから約3時間にわたり,動画共有サービス「Ustream」で生中継されていたが,閉会の挨拶に立ったGEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEO/GEヘルスケア・アジアパシフィックプレジデント兼CEOの熊谷昭彦氏より,パネルディスカッション時点での視聴者が1000人を超えていたことが報告された。
なお,本イベント当日のUstream視聴者数の最終集計結果として,ユニーク視聴者数9000人,トータル視聴者数1万5500人であったことが後日同社より報告された。
パネルディスカッションTの出演者
右から共同議長の中村 洋氏(慶應義塾大学院ビジネススクール教授)とチャールズ・ゴダード氏(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット,エディトリアル・ディレクターアジア),パネリストの村井嘉浩氏(宮城県知事),秋山弘子氏(東京大学高齢社会総合研究機構教授),辻 哲夫氏(東京大学高齢社会総合研究機構教授),辻 彼南雄氏(ライフケアシステム代表理事)
パネルディスカッションUの出演者
右から長谷川閑史氏(武田薬品工業代表取締役社長),イメルト氏,孫正義氏(ソフトバンク代表取締役社長)
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