前後左右に傾斜可能なカテーテル寝台を,マルチアクセスのCアームと組み合わせたINFX-8000V
マルチアクセスでバイプレーンでも頭側に大きな空間を確保できることが,ハイブリッド手術の際には大きなメリットになる
那須本社に2009年にオープンしたカスタマーサポート&トレーニングセンター。省エネなど環境に配慮した設計・建築を行っている
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東芝メディカルシステムズ(株)は,外科手術とカテーテル治療を一連の術式で行う“ハイブリッド治療”に対応した循環器X線診断システム「Infinix Celeve-i INFX-8000V」の製品発表会を,3月18日(木)に那須本社のカスタマーサポート&トレーニングセンターで開催した。
Infinix Celeve-i INFX-8000V(以下INFX-8000V)は,従来のマルチアクセス型のCアーム(シングルプレーン,バイプレーン)に,手術にも対応できる起倒機能を搭載したカテーテル寝台を組み合わせたもので,3月15日に薬事承認を受け18日より販売を開始した。
ハイブリッド手術は,外科手術とカテーテル治療を一度の術式の中で行うもので,それぞれの手技や手法を組み合わせることで治療効果の拡大や患者の負担軽減などが期待できる。循環器領域では,胸腹部大動脈瘤のステントグラフト留置術や冠動脈疾患に対するバイパス手術とPCIによるアプローチなどが行われている。
ハイブリッド手術に対応するX線診断システムでは,高画質に加えて,撮影時にも術者や器具の設置を妨げずに空間が確保できることや手術に対応できるベッドの可動性などが要求される。INFX-8000Vの新しい寝台(CAT-880B)は,カテーテル用寝台の機能に加えて,上下左右方向へ各16°の傾斜(チルト)が可能になっているほか,手術の際の各種器具の装着を考慮して250sまでの荷重に耐えられるようにした(従来は220s)。
今回の発表が行われた「カスタマーサポート&トレーニングセンター(CSTC)」は,ユーザーやエンジニアの研修施設とカスタマーサポートの拠点となる「TACコールセンタ」などが入る施設で2009年1月にオープンした。延べ面積は10000m2,2階建てで1階が研修フロア,2階がサービス本部やテクニカルコールセンターとなっている。
研修フロアには,CT,MRI,XRなど各ビジネスユニットに対応した研修室が23室あり,研修室はセミナールームに隣接して実機を設置した実習室が設けられている。今回のINFX-8000VもXR研修室に設置されており,セミナールームでの製品概要の発表後,実機を動かして説明された。CSTCでのトレーニングプログラムは,サービスエンジニアとユーザーを対象に年間480コース,受講者数4800名が可能で,国内のみならず全世界から研修者を受け入れている。東芝メディカルシステムズは,2009年5月に東京本社を那須に統合し,本社機能の強化を図ると同時に,CSTCをはじめ技術棟などを新設してグローバルでの体制強化を図っている。 |