(株)AZEは3月13日(土),シャングリ・ラホテル東京(東京・千代田区)において,「第1回AZE展」を開催した。AZE展は,ワークステーションを使用した画像(解析を含む)の臨床的有用性を高め,最良の画像を生み出すことを目的とする。画像診断および画像解析のエキスパートが審査員となり,一般公募作品の中から,より臨床に有用な画像を選定するもので,杏林大学医学部放射線医学教室教授の似鳥俊明氏が審査委員長を務めた。初回にもかかわらず150作品を超える多数の応募があり,ブラインドによる厳正な事前審査によって19作品が入賞し,当日の最終選考会に臨んだ。
AZE展当日には,入賞作品の代表者によるプレゼンテーションが行われた後,最優秀賞1作品,優秀賞2作品,特別賞2作品を決める最終審査会が行われた。その結果,最優秀賞は医療法人 岡山画像診断センター(笹井信也氏)の「卵巣腫瘍」,優秀賞は医療法人社団研仁会 北海道脳神経外科記念病院(清水友樹氏)の「脳漕MultiVolume画像」と医療法人沖縄徳洲会 出雲徳洲会病院(定岡大祐氏)の「腹腔鏡補助下直腸切除術前シミュレーション」,特別賞は医療法人社団王子会 王子会神戸循環器クリニック(大西宏之氏)の「腹直筋皮弁における下腹壁動脈,胸背動脈の評価」と東邦大学医学部医学科研究員(阪本 剛氏)の「低侵襲僧帽弁手術シミュレーション画像」が,それぞれ受賞した。
最優秀賞:笹井信也氏
(岡山画像診断センター) |
優秀賞:清水友樹氏
(北海道脳神経外科記念病院) |
優秀賞:定岡大祐氏
(出雲徳洲会病院) |
特別賞:大西宏之氏
(王子会神戸循環器クリニック) |
特別賞:阪本 剛氏
(東邦大学医学部医学科研究員) |
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AZE展受賞者記念写真
左から畦元氏,似鳥氏,笹井氏,大西氏,阪本氏,定岡氏,清水氏,
副審査委員長の甲田英一氏(東邦大学医療センター) |
最優秀賞を受賞した笹井氏のプレゼンテーション風景 |
また,特別講演では,東京大学医学部附属病院放射線科教授の大友 邦氏が座長を務め,2題の講演が行われた。国家公務員共済組合連合会 熊本中央病院放射線科の片平和博氏は,「心臓CTにおけるネットワーク型ワークステーションの新たなる展開〜進化するAZE Raijinを用いた解析・読影の実際〜」と題して,心臓CTにおけるAZE VirtualPlace Raijinの自動解析機能やネットワーク型ワークステーションの有用性などについて概説した。続いて行われたハーバード大学医学部教授/ブリガム・アンド・ウィメンズ病院放射線科Robert Greenes記念上席部長,Surgical Planning LaboratoryディレクターのRon Kikinis氏の「3D Slicer as a Reseach Platform for Medical Imaging Computing〜医用画像処理のための研究用プラットフォームとしての3Dスライサー〜」と題した講演では,まず,同大学医学部准教授ブリガム・アンド・ウィメンズ病院放射線科画像誘導手術プログラム技術部長の波多伸彦氏からRon Kikinis氏の講演内容が日本語で簡単に紹介された。その上で,Ron Kikinis氏自身が,オープンソースソフトウェア“3D Slicer”の機能やその有用性などについて詳述した。
最後に,AZE社代表取締役社長の畦元将吾氏が挨拶に立ち,4月9日(金)から行われる国際医用画像総合展で発表する予定の新製品を紹介したほか,これからも毎年AZE展を続けていきたいと抱負を述べた。
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