医用画像情報学会 平成21年度春季(第156回)大会が2010年2月6日(土),千葉大学工学部15号棟にて開催された。
まずは,大会長である千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター特任教授の三宅洋一氏が挨拶に立ち,続いて学会長である岐阜大学大学院医学系研究科教授の藤田広志氏が開会の挨拶を行った。最近は主に保健学科で開催され,同大会は久しぶりの工学部での開催ということであった。
セッションT「コンピュータ支援診断」では,北海道情報大学医療情報学科教授の上杉正人氏が座長を務めた。
まず,岐阜大学大学院医学系研究科の安井 賢氏が「救急医療における腹部X線CT画像のためのコンピュータ支援診断システムの開発」と題して発表を行った。現在,頭部や腹部を対象とした救急医療のためのCADシステムを開発中の安井氏らのグループは,同研究にて,臨床の現場で最初に画像を扱う診療放射線技師への画像診断支援により画像に対する理解度を上げることで,診療レベルの向上に寄与することを目的とした検討を行った。腹部の中で最も受傷しやすく致命的になりうる臓器である肝臓を対象とし,肝臓内の活動性出血を自動検出するCADシステムが実際に有用かどうかを臨床経験の浅い放射線技師による読影実験により調査した。対象は,診療放射線技師免許を持つ学生を含む10名。トレーニング用に10症例と本実験用に50症例を読影してもらった結果,一部,CADの結果につられ読影の確信度に低下が見られるなどしたものの,読影者自体の診断レベルの向上により解決されるものと見られるとし,CAD同開発中の肝臓内の活動性出血を自動検出するCADシステムを利用した診断はおおむね有用だったと報告した。今後は,実際に救急現場で働く診療放射線技師に対して有用性について検証を行うという。
次に,岐阜大学大学院医学系研究科の米山 亮氏が「マンモグラムにおけるカテゴリー判定支援システムの開発とその結果の提示方法に関する検討」と題して発表を行った。マンモグラフィ画像における病変部の悪性度指標として用いられるカテゴリーは,上がれば乳がんの割合が高くなるものの,読影者間でのバラツキが大きい。そこで,米山氏らのグループでは,定量的なカテゴリー鑑別結果を提示することでカテゴリー判定のバラツキを抑えるCADシステムの開発を行っている。
読影医は,マンモグラフィ診断においてカテゴリー判定を行うためのトレーニングをしており,そのカテゴリーは複数の特徴から判定している。したがって読影の際,CADにてトレーニングに沿った特徴を提示すれば診断が容易になると考え,微小石灰化像,腫瘤陰影に対して,そのような解析結果を提示するCADシステムを開発してきた。今回,CADによる解析結果提示の有用性を調べるため,カテゴリーのみの提示とトレーニングに沿った特徴量の提示との比較を行い検討した。同実験では,経験の浅い診療放射線技師を対象にカテゴリー3〜5の微小石灰化像と腫瘤陰影それぞれ10症例ずつ計60症例を用い,読影者内における読影精度の一致率,および読影者間におけるカテゴリー判定のバラツキの一致率を調べた。実験結果においては,読影者内で検討した読影精度,読影者間で検討したバラツキにおいて,CAD利用による効果が見られたという。特に,読影者間によるカテゴリー判定のバラツキがなくなったことは,安定した医療の提供につながる可能性を示唆させるものだった。
続いて,新潟大学医学部保健学科の李 鎔範氏が「ポータブルCADの基礎検討─肺腫瘤陰影の自動検出」と題して研究報告を行った。李氏らは,CADのシステムの必要性と重要性が広く認知され始めている中,さらなる検出能,鑑別能の高度化が追究されていかなければならない一方,CADの普及のためには利便性の追究も重要な課題の1つであるとし,今回CADのポータブル化に着目したという。まずその定義化として,目の前の画像に対してリアルタイムで“画像取得”“コンピュータ解析”“結果出力”ができる入出力システムを持ったCADシステムとした。その着想は,医師の画像診断プロセス,目から入力される画像情報を脳で解析し病変の疑いのある位置を指で示すことを忠実に再現することにある。
同発表では,ポータブルCADの初期検討として入力部の実現性を検討し,胸部CT画像(原画像)およびモニタに表示したCT画像をデジタルカメラで撮影した画像(カメラ画像)から腫瘤陰影の自動検出を行い,性能を比較した。今回の李氏らの検討の結果,デジタルカメラ画像をCADシステムの入力に使用しても,原画像を入力とした場合と同等の検出性能が示されたことから,ポータブルCADの入力部の実現性が示された。しかし,今回の検討では高性能なデジタル一眼レフカメラを使用し,また三脚で固定して撮影が行われたことから,カメラの小型化による精度の低下や人体の揺れなどの影響が加味されていないなど入力部の検討としてもまだ課題が残っている。
同セッションの最後は,岐阜大学大学院医学系研究科知能イメージ情報分野の宮田大輔氏が「全乳房超音波画像における経年画像の位置合わせに関する研究」と題して発表を行った。乳がんの検査法として,主にマンモグラフィと超音波検査が行われているが,通常,マンモグラフィ画像は記録として残るのに対し,超音波検査では撮影と読影が同時に行われるため全画像が記録として残らない。しかし,同研究では全乳房超音波画像を対象としており,マンモグラフィと同様に画像として記録が残せるため,経年変化の比較や左右乳房の比較が一般的な超音波検査よりも容易に行える。そして,1回の乳腺超音波検査だけでは必ずしも病理結果が得られないため,過去画像またはCT,MRIなどの他のモダリティ画像と位置合わせができれば,病変の経年変化の診断や病変位置の把握が容易となる。今回の目的は,全乳房超音波画像の組織を利用して経年画像の位置合わせを行うことであり,方法はすべての症例で確認できる組織である胸筋,乳頭,皮膚,乳腺を利用して位置合わせ,評価を行った。乳頭位置と皮膚領域の誤差を最小にする位置に画像を平行移動させていた従来法と異なり,本手法では,1)すべての乳頭パターンを検出できる処理,2)装置等の影響を受けずに皮膚抽出を行える処理,3)形状・内部組織を合わせる処理(非剛体変形)が改善されている。結果は,経年変化における乳腺領域や病変位置の一致率が従来方に比べ向上していた。今回は全乳房超音波画像同士の比較であったが,今後は他のモダリティとの位置合わせなど課題はあるものの,ポジショニングによるズレを考慮して位置合わせを行える同手法により,今後実用化すれば差分画像からの病変の検出や強調に利用できる可能性が示唆された。
セッションTに続き特別講演では,千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター教授の羽石秀昭氏が座長を務め,大会長の三宅洋一氏が「低コスト,低侵襲,高性能な生活習慣病診断用新規デバイスの開発・実用化」と題し行った。
まず,都市エリア産学官連携促進事業(発展型)「先進的地域基盤技術を活用した次世代型抗体創薬システム及び診断用デバイスの開発事業化」のうち,三宅氏が拠点リーダーを務める低コスト,低侵襲,高性能な生活習慣病診断用新規デバイスの開発・実用化について紹介し,続いて千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター(CFME)の設立の経緯などについて紹介した。その中で,三宅氏は,医工連携の重要性を強調し,日本では医と工が対等な立場で組織されていることが少ないが,CFMEは同じ立場で組織し医工の融合をめざし実現したと述べた。
医療機器国内生産額では,画像診断システムが最も大きい金額が大きい分野であるが,医療機器全体で見れば医療機器は輸入産業であり,日本全体としては輸出の倍くらいの金額となっている。製造業で輸入の方が多いのは医療機器だけであり,内視鏡だけが唯一海外への輸出で活躍しているのが現状である。三宅氏はひとつの要因として,医工学が海外諸国に比べ成長していない点を指摘している。日本の医工学が海外に遅れている点としては,医学部の独立性が非常に高い点が挙げられ,施設内の政治的な背景もあり連携が続かない,スムーズにいかないことが多いという。そこで,大学側からの協力も得,2003年に医学部,工学部が一体化して仕事を進めていくという構想のもと,CFMEを設立した。同大学の医学部,工学部だけでなく,特別研究員制度を設け,企業,関連病院からの研究者も招聘する。シンポジウムも2003年から毎年開催しその周知に努め,また2010年3月にようやく修士課程を終えた学生の卒業を迎えることとなり,今後さらなる事業の活性化が期待される。さらに,現在,“生態情報計測解析”“医用画像診断システム”“手術生体機能支援機器”“生体ナノ機能材料”“脳機能計測解析”の各専門領域にて進められている研究を紹介し,試作機もでき現場で試用されている簡易脳機能解析システムなど製品化が近いというものもあった。
最近では日本のいろいろな大学でも岐阜大学などのように医工学分野に力を入れている施設も増え,今後は日本の医工学産業も発展してくるに違いないと締めくくった。
特別企画講演では,富士フイルム(株)ヘルスケア事業統括本部の鴛田栄二氏が「CAD等の医療用アプリケーションソフトウェアの薬事承認審査制度の問題点」と題し行った。座長を務めた学会長の藤田広志氏が,米国では10年も前に登場しているマンモCADなども日本ではなかなか薬事が下りないなどの背景を踏まえて企画したと述べた。
鴛田氏は,まず医療機器として有効性のある医療用アプリケーションソフトウエアの薬事規制状況について説明し,汎用PC等で組み合わせることで医療機器と認められる現状の問題点をいくつか指摘した。単独医療用アプリケーションソフトウエアに規制をかけていないのは日本だけだと指摘し,欧米,カナダ,オーストラリアなどに後れをとっていると述べた。審査方法として,日本では従来のハードウエアと同じ発想の試験結果のみの審査しかなく,海外のように,IEC62304「医療機器のソフトウエアライフサイクルプロセス」を設計開発プロセスに適用することを要求した医療用アプリケーションソフトウエアの審査方法を持っていないためだとした。現在は,厚生労働省「医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業」にて香川大学医学部教授の横井英人氏のもと,「医療機器に使用されるソフトウェアに関する基本調査」「ソフトウェア等に係る海外規制状況調査」が行われているという。
また,CADに関してPMDA(医薬品医療機器総合機構)医療機器審査部とJIRA(日本画像医療システム工業会)のWGメンバーで,第1回目の勉強会が2009年12月に開催された。同勉強会は,PMDAからの働きかけで始まったもので,CADについて相互(審査者,申請者)が共通意識を持つことにより,申請および審査がより効率的に行うことができ,最終的には開発から上市までの期間の短縮につなげることを目的としている。ただし,検出(CADe)のみが検討対象で,検出,解析等を行うCADxは対象外となっている。FDAでもまだCADxについては認められていないという。今後は,JIRA会員企業から成るWGで検討項目のたたき台を作成し,PMDAとレビューを繰り返し,CADの承認申請の手引きのような形で残していくとした。
続いて,セッションU「医療画像計測,評価」では,名古屋大学医学部保健学科教授の津坂昌利氏が座長を務め行われた。
まずは,金沢大学医学部保健学科のグループから,三浦正稔氏が「心臓CT対応時間分解能測定ファントムの開発」,荒幡純貴氏が「心臓CT対応時間分解能測定ファントムによる時間分解能測定」を発表した。
近年,多くの施設で心電図同期による心臓CT検査が実施されているが,短時間での撮影のためマルチセグメント再構成法が用いられ,その時間分解能の正確な測定法について検討が必要とされている。そこで,同大学の市川氏らが開発した金属球体による時間分解能測定装置を心電図同期連続発射機構に改良し,心臓CT対応時間分解能測定ファントムの開発を行った。CT画像の時間感度分布(TSP)を測定した結果,心拍数と発射タイミングがほぼ正確に制御されていることが確認され,セグメント数に応じて球体のストリーク画像が複数表示されたこと(再構成の基本と一致)から,同装置により心臓CTの正確な位相時間分解能の測定可能なことが示唆された。また,同装置により心臓CTのマルチセグメント再構成法における時間分解能を,心拍数を変化させて測定し理論値と比較検討した。10%以下の誤差でTSPを獲得し,時間領域MTFにより時間分解能を定量的に評価可能であったという。
次に,大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻の松本政雄氏が「新型NaI(Tl)シンチレーション検出器の高エネルギーγ線に対する性能評価とその応答関数の作成」「エネルギー弁別型放射線ラインセンサを用いたX線像からの被写体材質の識別(3)」の順で発表を行った。まず1演題目では,近年,粒子線治療が盛んに行われるようになったが,作業者,医療従事者の被ばくが問題となっていると指摘した。しかし通常,線量は線量計だけで計測されているが,これだけでは高エネルギーに対応不十分であり,線量の総合的な測定・評価のためには線量とスペクトルの2つを同時に評価できる検出器が理想だという。そこで同研究では,NaI(Tl)を使用した検出器が有用と判断し,高エネルギーγ線のエネルギースペクトルを測定した上で,線量化できるNaI(Tl)検出器システムの開発に寄与することを目的とした。検出効率と分解能についてスペクトルをシミュレーションと実験,およびコリメータ使用の有無で比較検討した結果,新型NaI(Tl)検出器システムの検出効率と分解能は使用に十分な性能を有することが示され,同検出器の20MeVまでの応答関数を作成したとした。
2演題目は,継続して報告されている研究であり,X線画像から形状だけでなく物質の原子番号まで識別することを目的としている。異なるエネルギーで線減弱係数を取得することができれば,被写体の材質や状態の情報を得ることが可能であるが,同一条件で行っても結果が異なるなどの再現性に問題がある。同研究では,検出器のエネルギー補正を行い被写体の平面画像の測定回数を増やし,線減弱係数が理論値に近い値のものを平均し,原子番号の算出を行うことでこれまでの研究結果より高い再現性が得られたとした。今後は,散乱線の影響や電流値の変動の影響を受けにくい算出方法を検討することで,再現性のさらなる向上をめざしたいとした。
最終セッションのセッションV「医療画像解析,新技術」は金沢大学医学部保健学科准教授の市川勝弘氏が座長を務めた。
まず,香川高等専門学校創造工学専攻科の石村直也氏が「デジタルX線画像診断システムにおける散乱X線補正法の研究」と題し研究報告を行った。同研究は,画像診断の誤認の原因となる散乱線成分をデジタル画像処理により低減させることを目的としている。現在,散乱線推定技術は骨量測定やマルチスライスCTへの応用の前提技術として必要となっている。石村氏らは従来の研究においてはイメージインテシファイアを使用していたが,同研究では検出器の構造的な補正後差をなくすためFPDを使用したという。これにより,従来法に比べ,散乱線量推定時おける線形近似,および被写体の厚みによって変化する広がり関数において改善が見られたと報告した。
次に,金沢大学医学部保健学科の櫻井亮介氏が「高速スピンエコーにおける脂肪高信号化の検討」と題し発表を行った。高速スピンエコー(SE)法は,臨床においてT2強調像を得るのに利用されているが,1)Jカップリング,2)磁化移動効果,3)異なるエコー時間で位相エンコードすることによって起こる画像のボケ,4)フローボイド,5)スティミュレーティッドエコー,6)不均質な物質による位相分散によって画像のコントラストが変化してしまう。特に高速SE法T2強調像では脂肪信号が高信号になることが問題となっている。さまざまな諸説が理由として挙げられているが,原因はマルチエコーリフォーカシングパルスである。しかし,エコー間隔を5msに設定可能なほどMRI装置の性能が格段に向上したにもかかわらず,それに伴った検討は行われていない。そこて同研究では,高速SE法T2強調像における脂肪成分の高信号化の機序・特徴を調べるために,エコー間隔を変化させて脂肪や脳実質の画像コントラストを検討した。検討の結果,高速SE法T2強調像のリフォーカシングパルス間隔20ms以下だと,大幅な脂肪信号の増大が見られ,信号の増減には組織不均一による位相分散,Jカップリングが関与することがわかった。また,脳の白質と灰白質のコントラストの低下とエコー間隔の相関に対する検討においては,従来,磁化移動効果とクロストークが原因とされていたが,マルチエコーリフォーカシンパルスによる白質の脂肪成分の信号増強が関与しているとした。
群馬県立がんセンター放射線第一課の佐藤正規氏は,「CTを用いた乳がん患者における脂肪評価-閉経前後による比較-」と題し発表を行った。年齢別に見た乳がんの発症率は50歳前後で最大となり,閉経を迎えたと思われる年齢あたりから低下するという。その理由として,食生活の欧米化,閉経後の肥満が関与すると考えられている。同研究では,乳がん患者の脂肪量を測定し,閉経前後で脂肪量に違いがあるか調査を行った。同研究ではPET/CT検査の画像を用いている。PET検査を行うにあたって生理に関する問診を行っており,閉経前後の確認が可能なこと,身長・体重を測定していること,脂肪測定で必要な呼気での息止めを行っているためである。1)閉経前後の乳がん患者のBMIの比較,2)閉経前後の乳がん患者の脂肪量の比較(へそ位置における全体脂肪,内臓脂肪,皮下脂肪),3)閉経前後の乳がん患者と他症例患者との脂肪量の比較における有意差の有無を調べた。閉経前後の乳がん患者におけるBMIでは有意差はなかったものの,内臓脂肪量にて閉経後乳がん患者の方が有意に多かった。また,閉経後の乳がん患者は,他症例患者よりも脂肪量が有意に多い結果となったという。これは,閉経前は卵巣で有意にエストラゲンが作られていたのが,閉経後は卵巣外すなわち脂肪細胞で有意に作られるようになったことも影響していると考えられる。同研究より,脂肪測定が乳がんの発症リスク推定に有用であることが示唆されたが,どれくらいあればリスクがあがるなどはまだ言えないという不確定要素が大きい研究でもある。佐藤氏は,今後のさらなる研究により,予防医学へつなげていきたいとして締めくくった。
新潟大学大学院保健学研究科の渡部晴之氏が「CR画像のウェーブレット変換における被ばく線量低減の効果」と題し研究報告を行った。同研究では,CR画像にウェーブレット変換を適用させ,処理後画像の基礎的な物理特性を明らかにし,画像処置による被ばく線量低減効果を検討する。被ばく線量が特に問題となる生殖腺近傍の股関節,腰椎領域を対象とした。同研究では,1)オリジナル画像,および2)Haar法,3)Daubechies法,4)Coiflets法,5)Sigmoid関数型の4つのウェーブレット変換再構成画像を,解像特性,ノイズ特性,信号対雑音比,人体ファントムの信号対雑音比,人体ファントムの視覚評価により評価した。評価の結果,Haar法,Daubechies法,Coiflets法の閾値法型はノイズ特性に優れているがエッジ成分の一部分が除去されてしまうため全体的に画質の向上に寄与せず,一方,Sigmoid関数型は優れた解像特性とコントラスト強調の効果により,視覚的に優れた結果を得たとした。しかし,Sigmoid関数はエッジの強調に特長があり,ノイズ低減としては違和感があるとの会場からの意見もあり,今後の研究の新しい成果が待たれるところである。
閉会の挨拶に立った総務理事の宮地利明氏(金沢大学医学部保健学科教授)は,今後も活発な研究発表と議論を行っていきたいと締めくくった。次大会は6月5日(土),津坂氏の大会長のもと,名古屋大学医学部保健学科にて行われる。 |