大会長の高橋昭喜氏
(東北大学放射線診断科)
会場風景
シンポジウム1の座長
渡邊祐司氏(倉敷中央病院)と
上田真喜子氏(大阪市立大学)
ポスター展示。
ロビーや廊下のスペースも利用されていた
GEヘルスケア・ジャパン共催の
ランチョンセミナーの会場風景
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第39回日本神経放射線学会が,2月12日(金),13日(土),学術総合センター講堂(一橋記念講堂,東京都千代田区)で開催された。大会長は高橋昭喜氏(東北大学放射線診断科),テーマは「新しいNeuroradiologyの光」。プログラムは,シンポジウム「頸動脈のプラーク・イメージング」「高磁場MRI による微細構造の描出」の2題,特別講演が「The Supplying Region of the Cerebral Perforating Arteries」「The Human Brain and the Fine Art」の2題,教育講演として「2007WHO 脳腫瘍分類:新しい腫瘍概念について」と「脳脊髄血管の機能解剖」が行われた。一般演題は「血管障害」「脱髄・変性疾患」「VSRAD(Voxel-Based Specific RegionalAnalysis System for Alzheimer's Disease)」「認知症」などのテーマで口演,ポスター展示が行われた。
また,ランチョンセミナーとして「Metabolite Mapを利用したMRIによる神経生化学診断の臨床有用性と課題(徳島大・原田雅史氏,GEヘルスケア・ジャパン共催)」ほか4題が行われた。
今回は特別の試みとして,10日(水)から行われた第33回日本脳神経CI学会(大会長:小野由子 東京女子医科大学教授)と同会場で連続した会期で開催し,11日の午後には両学会の合同企画としてフレンドシップ・シンポジウム「中枢神経疾患の低侵襲治療」やガラパーティ(合同懇親会)などのイベントが行われた。
シンポジウム1の「頸動脈のプラーク・イメージング」(座長:倉敷中央病院・渡邊祐司氏,大阪市立大学・上田真喜子氏)では,頸動脈のプラークの診断と治療について,MRIによるプラークの評価,頸動脈エコーと血中バイオマーカーによる不安定プラークの病態診断,血行再建術の治療法選択におけるプラーク性状の病理学的検討,頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS)の課題とプラーク診断の重要性などの発表があった。頸動脈狭窄に対しては,内科的治療のほか頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)などの外科的治療やステント留置術などがあり,今後,頸動脈プラークの性状診断が治療方針の決定や効果判定に大きな役割を持つことが期待されている。シンポジウムのまとめで上田氏は「今後の脳卒中の予防や早期診断,治療方針の決定などで画像診断の意義は大きい。病理学の立場でいえば,画像診断は形態学の臨床的な反映であり,病理で何が起こっているかをもう一度考えながら診断にあたってほしい」と総括した。
次回は町田徹氏(NTT東日本関東病院放射線科)を大会長として,2011年2月24日(木)〜26日(土)に東京コンファレンスセンター・品川にて開催の予定。 |