GEヘルスケア・ジャパン(株)は2月2日(火),聖路加国際病院(中央区)において,「第11回 Tokyo GE Mammography User's Meeting―マンモの最先端撮像技術の共有を通じて,乳がん検診の進歩に寄与」を開催した。
GEは,1999年に世界で初めてデジタルマンモグラフィを発売。以来10年以上が経過したが,その撮影手法や読影については,診療放射線技師および読影医の経験や技量に依存する面が大きい。そこで同社は,デジタルマンモグラフィ「Senographe(セノグラフ)」シリーズのユーザーが,装置への理解をより深め,検査の質的向上に寄与できるよう,経験豊富なユーザーに世話人をお願いし,撮影技術や読影手法などの情報交換や交流を図る場であるユーザーズミーティングを全国各地で開催している。Tokyo GE Mammography User's Meetingはその中で,最大規模かつ最多の開催回数を誇る東京都内のユーザーが集まる場として,2004年から開催されてきた。
当日は,日本医科大学付属病院の小林宏之氏による開会の挨拶に続いて,同社の櫻井 諭氏が,昨2009年に開催された第95回北米放射線学会(RSNA2009)の報告として,デジタルマンモグラフィに関する学会発表のトレンドや同社の展示内容の紹介を行った。まず学会発表については,DBT(デジタル・ブレスト・トモシンセシス)がブームであると述べ,同社のDBTの開発状況について説明した。同社では,DBTの開発のポイントとなる,低線量でも量子検出効率(DQE)を保つという点についてはすでに間接変換方式を採用することで実現できており,現在,米国を中心に約10サイトで臨床研究を開始しているという。一方,展示内容については,デジタルマンモグラフィのコンソールモニタが現在の1Mピクセルから,オプションで3Mピクセルのモニタ(W.I.P.)を選択できるようになることや,主に米国とヨーロッパで販売されている「Senographe Essential」を,検診目的に特化させた「Senographe Essential e」(W.I.P.)などを紹介した。
心臓画像クリニック飯田橋の松浦由佳氏は,スタンフォード大学に短期留学した経験をもとに,同大学病院のBreast Radiologyの概要などを紹介。Breast Radiologyには「Senographe 2000D」と「Senographe Essential」が各2台と超音波診断装置が2台設置されており,1日にデジタルマンモグラフィによる撮影は計50〜60件行われていると説明した。
日本医科大学付属病院の古崎治子氏は,「Senographe 2000D」と「Senographe DS LaVerite」の使用経験を発表した。同院では,2000年にSenographe 2000Dを,2009年にSenographe DS LaVeriteを導入。年間約2000件のマンモグラフィ検査が行われている。古崎氏は,両装置の違いについて検証した結果を紹介し,Senographe 2000Dは,10年を経過した現在でも臨床現場で活躍していると述べた上で,Senographe DS LaVeriteについて,システム安定性に優れており,鮮鋭性に優れた画質が得られると評価した。
講演終了後に設けられた質疑応答・ディスカッションの場では,追加撮影を患者さんに依頼するときに不安を与えないための声のかけ方など,より患者さんに優しい検査環境をめざして意見交換が行われた。
最後に,聖路加国際病院の小山智美氏が閉会の挨拶に立ち,「装置のことをよく理解し,装置に使われるのではなく,装置を使う技師にならなければならない」と力強く述べて会は幕を閉じた。
東京都開催は,年2〜3回不定期に開催(次回開催は5月頃を予定)。 |