GEヘルスケア・ジャパン(株)は1月13日(水),ハイアットリージェンシー東京において,国内で薬事承認を取得したMRガイド下集束超音波治療器(MR-guided Focused Ultrasound Surgery:MRgFUS)「ExAblate 2000」の記者発表会を開催した。ExAblate 2000は,体外から超音波を1点に集束させて照射することで筋腫組織を焼灼する集束超音波治療(FUS)を,MRIで病変の位置や温度変化を常時確認しながら行う世界で唯一の治療器。対象疾患は痛みや出血などの自覚症状がある症候性子宮筋腫で,産婦人科を主対象に販売する(詳細はこちら)。
記者発表会では,GE ヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEOの熊谷昭彦氏と,同治療器を開発したInSightec Ltd. 代表取締役兼CEOのJacob Vortman氏の挨拶に続き,GE ヘルスケア・ジャパンアジア・パシフィック地域兼日本MRビジネス/FUS部長の東泉隆夫氏が,ExAblate 2000の特長について説明した。ExAblate 2000は,欧米を中心に全世界で79施設に設置され,国内でも個人輸入によってすでに9施設で稼働しており,全世界での治療件数は約5500症例に上る。患者テーブル内に超音波発信器と関連する電子機器が実装されており,GE社製Signaシリーズの1.5Tおよび3T MRIと組み合わせて使用できるほか,既存のMRIユーザーは,ExAblate 2000を購入するだけでMRgFUSが施行可能となる。MRI画像上で治療計画が策定できるのはもちろん,治療中にもMRIにより超音波の照射位置や焦点温度などがリアルタイムに表示されるため,安全性も高い。また,販売後は導入施設に対し,日本産科婦人科学会認定のトレーニングが提供されることになっており,東泉氏は,ExAblate 2000の国内での普及を促進し,患者さんのQOLの向上に貢献したいと述べた。
続いて,2004年12月にExAblate 2000を個人輸入してMRgFUSの提供を開始し,これまでに約200例の治療実績を誇る板橋中央総合病院産婦人科部長の森田 豊氏が,「板橋中央総合病院におけるMRgFUSの使用経験」と題して講演した。子宮筋腫の症状や従来の治療法などについて説明したほか,FUSのメリットとして,メスや麻酔を使わないため低侵襲なこと,治療時間は1〜4時間ですみ日帰りでできること,治療当日から通常の生活ができること,子宮が温存できることなどを挙げた。また,ExAblate 2000では,治療計画から治療,治療後の確認まですべてコンソール上で行うことができ,副作用もきわめてまれであるなど安全性も高く,画期的な治療法であると評価した。
最後に,GE ヘルスケア・ジャパンアジア・パシフィック地域兼日本MRビジネスゼネラルマネージャーの藤田 健氏が,日本ではFUSの認知度はまだまだ低いが,ExAblate 2000の市場投入によって,患者さんに新しい選択肢を提供していきたいと挨拶した。
|
|
記者発表会場後方に展示されたExAblate 2000のモックアップ |
|