第18回日本コンピュータ外科学会(中村耕三会長:東京大学大学院医学系研究科外科学専攻教授)が東京大学鉄門記念講堂において,11月21〜23日にかけて開催された。本大会のテーマは,「医療の質を高める医工連携」。本学会では2003年より,業界・学会の発展に寄与することが期待される若手の研究者を対象とした「Yong Investigator Awards(日立メディコ賞)」を授与している(過去5回・17名が受賞)。今回も厳正なる審査により,ゴールド賞1名とシルバー賞2名が選出され,授賞式と受賞講演会が大会の中日(11月22日)に行われた。
ゴールド賞は,川原知洋氏(広島大学大学院医歯薬学総合研究科)が受賞し,受賞講演では,「胸腔鏡下における肺がんなどの部分切除手術における腫瘍検出イメージャ」について発表した。シルバー賞は,川上秀夫氏(大阪警察病院整形外科)と高山俊男氏(東京工業大学大学院総合理工学研究科)が受賞。講演では川上氏が,「下肢のCTと工学的歩行解析を組み合わせた四次元歩行解析システム」について,高山氏が,「腹腔内組立式器具」について,それぞれ発表した。
授賞式では,株式会社日立メディコを代表して木下通人氏(執行役常務)が挨拶し,同社の製品コンセプトの1つである“オープン性”を紹介した。オープン性を代表する“オープンMRI”は,単に患者さんに優しいというだけではなく,インテリジェントオペ室が代表するように,検査や手術において患者さんへのアクセスを容易にし,広い空間を提供することで医工連携の場を実現しているとした。さらに同氏は,日本コンピュータ外科学会の研究成果と医療機器メーカーの製品開発,それを使いこなす医療技術の進歩が連携することによって,診断と治療が融合した質の高い医療を実現したいと述べた。 |