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取材報告

2009

9th AOCMPと7th SEACOMPがタイのチェンマイで合同開催
−放射線治療を中心に,CTをはじめとするイメージングセッションも−


Workshopの様子 実験データ等はCDで配布。参加者はわれわれの提供したExcelとImage-JでMTF・SSPzを求めます。
Workshopの様子
実験データ等はCDで配布。参加者はわれわれの提供したExcelとImage-JでMTF・SSPzを求めます。

口述発表の様子 英語が苦手な私でしたが,運よく会場が狭くて,あまり緊張せずに発表することができました。ただし,質疑応答でオロオロする羽目に…
口述発表の様子
英語が苦手な私でしたが,運よく会場が狭くて,あまり緊張せずに発表することができました。ただし,質疑応答でオロオロする羽目に…

辻岡勝美先生 沈没寸前の私を辻岡先生が助けてくれました。
辻岡勝美先生
沈没寸前の私を辻岡先生が助けてくれました。

Dr. Anchali Krisanachindaと辻岡先生 バンコクのチュラロンコン大学とわれわれの研究室は,数年前から交流を行っています。
Dr. Anchali Krisanachindaと辻岡先生
バンコクのチュラロンコン大学とわれわれの研究室は,数年前から交流を行っています。

 2009年10月22日(木)〜24日(土),9th Asia-Oceania Congress of Medical Physics (9ty AOCMP)がタイのチェンマイで開催された。今回は,7th South-East Asia Congress of Medical Physics (7th SEACOMP)との合同開催となる。AOCMPは放射線治療がメインの学会であるが,最近はCTをはじめとしたImagingにおける研究発表や講演も行われるようになり,われわれのようなCTの物理評価を行う者にも活躍の場が出てきた。また,医学物理士だけではなく,診療放射線技師や放射線を勉強している学生も多く参加している。

  われわれ(藤田保健衛生大学医療科学部辻岡研究室)はバンコクから,チュラロンコン大学や他大学の学生と一緒に,バスでチェンマイに向かった(引率の辻岡勝美先生も一緒である)。バス移動は,飛行機なら1時間程度のところを14時間もかかってしまい,体力的に大変であったが,タイの大学生たちと交流できて楽しい旅であった。

 チェンマイ到着の翌日は,学会のpre-congress企画としてRefresher CourseとWorkshopが行われた。私は,Workshop: “The Use of Image-J and MS-Excel for CT Performance Study”で ,大会主催者のDr. Anchali Krisanachinda (チュラロンコン大学:バンコク,タイ)の「CTのQA・QCについて」,辻岡勝美先生(藤田保健衛生大学)の「CTの空間分解能・スライス感度プロフィールの測定法」の講演に続いて,CT画像におけるMTFとSSPzの解析法についての講演をさせていただいた。始めにスライドによる説明を行い,その後,参加者に用意していただいたパソコンに解析用のデータを配布して実際に解析(実習)を行った。実習ではピンクのポロシャツを着た本学の大学院生(棚瀬真伸君),卒論生(清水裕也君・伊藤洋平君)が会場を駆け回って指導するという大変賑やかな状況であった。言葉の壁もあり,何かと上手くはいかないところもあったが,終了時にはすべての参加者が課題のMTF曲線,SSPzをパソコン上に描くことができた。今回のWorkshopによって,CTの基本的な特性と性能評価について理解していただけたことと思う。

 二日目,Opening Ceremonyの後,いよいよ大会が始まった。今回の大会では,5つの会場にて同時にセッションが開催される。さらにポスター発表と機器展示もあった。午前はLectureとSymposiumが行われ,午後からはProffered Paperが行われる。4つの会場でRadiation Therapyについてのセッションが行われ,残り1つがMedical Imagingの会場である。質疑応答も含め,1人15分のペースで夕方までセッションが行われた。Imagingの会場では,CTのほかにMRIやUS,MammographyやPETなど多彩なモダリティについての研究発表があり,質疑応答では時間を超えてまで討論が盛り上がる場面もあった。

 夜にはReception Partyが開かれ,Royal Flora RatchaphruekとChiangmai night safariを楽しんだ。昼間は学会で真剣に講演・議論を聞き,夜は各国の参加者と交流を深めるという充実した一日であった。

 最終日も前日と同様に,午前はLectureとSymposium,午後にProffered Paperである。この日は私の発表がMedical Imagingの中盤あたりであるので,午前中はスライドの最終確認と発表練習をホテルの部屋にて行っていた。私は英語が得意ではないので不安もあったが,辻岡先生の助けもあり,なんとか無事に発表を終えることができた。このセッションでは私の他にも各国の学生からの演題発表があり,皆,緊張した様子で発表をしていた。私も含め,学生として国際的な学会でこのような機会をいただけたことは,とても良い経験になったと思う。最後に表彰式と閉会式が行われ,学生に対する表彰もあった。今回のAOCMPには20ケ国以上の国から300人以上が参加し,とても活発な討論や国を越えた意見交換が行われていた。閉会式後は再びバスでバンコクへ。今度は夜行バスである。バスの中で熟睡できたのは,学会での緊張が解けたせいであろうか。

  次回2010年のAOCMPは,台湾のタイペイで開催される。そして,その翌年の2011年の開催地は,日本の福岡である。私も今回のAOCMPに参加した経験を生かしてさらに研究を進め,再び発表者として参加したいと思っている。

 最後に,今回,このような海外での講演・発表の機会を与えていただいたチュラロンコン大学のDr. Anchali,藤田保健衛生大学の辻岡先生に感謝します。

機器展示会場 画像診断装置の展示は少なく,治療装置・測定装置のメーカー展示が目立ちました。
機器展示会場
画像診断装置の展示は少なく,治療装置・測定装置のメーカー展示が目立ちました。
ポスター展示会場で記念写真 タイ・バンコクのチュラロンコン大学の学生と記念写真を撮影していたら,いろんな国の人が特別参加。
ポスター展示会場で記念写真
タイ・バンコクのチュラロンコン大学の学生と記念写真を撮影していたら,いろんな国の人が特別参加。
閉会式 メインホールでの閉会式の様子。アジア・アセアニアの多くの人々によって運営されている学会です。
閉会式
メインホールでの閉会式の様子。アジア・アセアニアの多くの人々によって運営されている学会です。

インナビネット記者 清水真太郎 (藤田保健衛生大学)