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取材報告

2009

「平成21年度日本遠隔医療学会学術大会」が開催


原 量宏 学会長
原 量宏 学会長

田代祐基 大会長
田代祐基 大会長

遠隔医療通訳のセッションでのデモンストレーション
遠隔医療通訳のセッションでの
デモンストレーション

遠隔画像診断のセッションでのディスカッション
遠隔画像診断のセッションでの
ディスカッション

特別講演を行った大西公平氏
特別講演を行った
大西公平氏

企業展示には富士フイルムメディカルなどが出展
企業展示には
富士フイルムメディカルなどが出展

 10月10日(土),11日(日)の2日間,くまもと県民交流館で,「平成21年度日本遠隔医療学会学術大会(JTTA in KUMAMOTO)」が開催された。

 大会のメインテーマは,「少子高齢化社会を支援する遠隔医療」。大会長は帯山中央病院の田代祐基氏が務めた。熊本県は,地域連携体制が整っており,ITを活用した地域連携パスの運用が行われているなど,学術大会の開催地としてふさわしい土地と言える。

  初日には,学会長企画として,「遠隔医療モデル事業の現状」が設けられた。座長を学会長の香川大学瀬戸内圏研究センターの原量宏氏が務め,厚生労働省と総務省合同の「遠隔医療推進方策に関する懇談会」の検討を踏まえ,総務省の「地域ICT利活用モデルプロジェクト(遠隔医療モデルプロジェクト)」に採択された,富山県南砺市や岡山県新見市などの地域から報告があった。これに続く,大会長企画国際セッションでは,「遠隔医療通訳の現状と未来」をテーマに,外国人人口増に伴い発生している言葉の問題を解決する手段として注目される遠隔地からの医療通訳を取り上げた。このセッションでは,米国ボストンで行われている国際医療通訳士協会の学会の会場とオンラインで結び,テレビ会議形式をとった。この中で,大会長の田代氏は,遠隔医療通訳による外国人への診療のデモンストレーションを行った。

  初日午後には,大会テーマをタイトルにした合同企画が行われた。このセッションでは,熊本大学医学部附属病院などが取り組んでいる小児救急や糖尿病,脳卒中,大腿骨近位部骨折,認知症周辺疾患,がん在宅療養における地域連携について発表が行われた。また,大会では初めてとなる遠隔画像診断をテーマにしたセッションも設けられた。熊本大学名誉教授の高橋睦正氏が座長を務め,遠隔画像のシステム・ネットワークを提供しているイーサイトヘルスケアの松尾義朋氏,遠隔画像診断会社の京都プロメドの河上聡氏,神戸大学がつくったNPO法人神戸画像診断支援センターの藤井正彦氏らが,提供しているサービスや現状の問題点などを報告した。このほか,慶應義塾大学理工学部の大西公平氏が「遠隔医療を支援する実世界ハプティクス技術」と題した特別講演を行った。


●問い合わせ先
日本遠隔医療学会事務局
高崎健康福祉大学健康福祉学部医療福祉情報学科内
TEL 027-350-7475
http://square.umin.ac.jp/jtta/