ジョンソン・エンド・ジョンソン(株) メディカルカンパニーは,7月21日(火),六本木アカデミーヒルズ(港区)において,“自分のことは「後回し」になっている女性へ 「乳がんの確定診断の大切さを」”をテーマに,「『マンモトーム』日本発売10周年プレスセミナー」を開催した。
マンモトームは,乳房内の組織を生検針の吸引により採取できる装置で,1998年11月に厚生省(現厚生労働省)の輸入承認を取得し,99年から国内での本格的な販売が開始された。セミナーでは,医療法人湘和会湘南記念病院かまくら乳がん甲状腺センター長の土井卓子氏による講演「しこりになる前の乳がんを発見する大切さ〜軌跡と展望〜」と,マンモトーム生検による確定診断を経験した平野洋子さんと土井氏の対談「マンモグラフィ検診で要精査となったとき,あなたは?」が行われた。
講演で土井氏は,年間新たに4万人が罹患し,1万人以上が死亡するという日本の乳がんの現状を説明。乳がん死亡率減少のためには,第一にマンモグラフィ検診の受診率を増加させることが必要であり,マンモグラフィにより,石灰化の段階で早期に乳がんを発見することが重要だと述べた。そして,マンモグラフィで経過観察や検査の繰り返しが必要となった場合に患者が抱く不安・心配を取り除くためには,確定診断が必要だとし,しこりがなく,エコーでも描出できない石灰化に対してはステレオガイド下マンモトーム生検が有用であると述べた。また土井氏は,全身療法が必要な乳がんでは,術前化学療法が主流となっており,術前に評価が必要な情報をマンモトーム生検により得ることができると,マンモトームの応用方法についても紹介した。
講演に続いて行われた土井氏と平野さんの対談では,平野さんの乳房に石灰化が見つかってから土井氏によるマンモトーム生検で良性と診断されるまでの経緯や,マンモトーム生検時の様子についてなどの話があり,患者と医師それぞれの立場から乳がんの確定診断の大切さをアピールする内容となった。 |