第3回ソナゾイド研究会(第一三共株式会社主催)が7月18日(土),パシフィコ横浜会議センターにおいて開催された。本研究会は,第二世代超音波造影剤「ソナゾイド」の臨床的エビデンスの創出と普及をめざすもので,医師や技師を中心に約350人が参加した。
研究会に先立ち,代表世話人の森安史典氏(東京医科大学消化器内科教授)が挨拶に立ち,ソナゾイド造影超音波の肝腫瘍性病変の検出能および鑑別診断能は,単純CTおよびDynamic CTよりも有意に優れていることを示すエビデンスのある論文が日本から発表されているが,他の造影剤では得られない有意性の高い検査法として,今後ますます発展していくことが期待されていると述べた。
続いて,基礎,診断,治療支援の3部構成で,10名の演者による講演が行われた。
第一部の基礎の部では,兵庫医科大学超音波センター内科 肝胆膵科教授の飯島尋子氏が座長を務め,「1. ソナゾイド造影超音波による抗腫瘍効果の評価―マウス異種移植モデルにおけるベバシズマブの血管新生抑制作用」,「2. 汎用装置を用いたSonazoid造影エコー法の現状」の2題の講演が行われた。
第二部の診断の部では,森安史典氏と近畿大学医学部消化器内科教授の工藤正俊氏が座長を務め,「1. 当院におけるソナゾイド造影超音波検査のルーチン化」,「2. 外来検査としてのソナゾイド造影エコー検査の果たす役割」,「3. ソナゾイド造影超音波検査による肝腫瘍悪性度診断―Gd-EOB-DTPA造影MRIとの比較」,「4. 肝良性腫瘍の造影超音波検査―その臨床的意義」の4題の講演が行われた。各施設におけるソナゾイド造影超音波検査の流れなどが具体的に示され,外来ルーチン化に向けてすぐに役立つ内容となった。
第三部の治療支援の部では,八尾徳洲会総合病院肝胆道外科副院長の松田康雄氏と大垣市民病院消化器科部長の熊田 卓氏が座長を務め,「1. 経カテーテル治療効果判定におけるソナゾイド造影超音波の有用性」,「2. ソナゾイド造影超音波によるRFA治療支援」,「3. 肝胆膵外科医による造影超音波検査」,「4. 肝腫瘍に対する術中造影エコー法の臨床的意義と撮像のポイント」の4題の講演が行われた。ソナゾイド造影超音波検査は,術中もしくは治療後早期の評価が可能であるなど,多くの有用性と可能性が示された。
*第3回ソナゾイド研究会の内容は,インナービジョン2009年10月号(9月末発行)に特集として掲載される予定です。詳しくはそちらをご覧ください。 |