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取材報告

2009
JAHISが「平成21年度業務報告会」を開催


西原栄太郎 氏
西原栄太郎 氏

細谷 功 氏
細谷 功 氏

昨年度の実績と今年度の活動内容を部会ごとに報告
昨年度の実績と今年度の活動内容を部会ごとに報告

 保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)は7月3日(金),コクヨホールにおいて,「平成21年度業務報告会」を開催した。この報告会は毎年行われているもので,JAHISの前年度の活動成果と今年度の活動内容を会員企業などに説明する場となっている。はじめに運営会議議長の西原栄太郎氏から運営会議報告が行われ,その後,標準化推進部会,医事コンピュータ部会,医療システム部会,保健福祉システム部会の各部会,事業推進部から報告が行われた。

 まず,運営会議報告では,西原氏が昨年策定した「中期計画2008」において目標に掲げた2011年度の市場規模5000億円以上,会員企業数400社以上という数値の達成に向けた取り組みを説明した。2008年度は,会員企業数を15社増やし,352社まで伸ばすことができたほか,黒字決算など財政基盤の強化を図ることができたという。こうした実績を踏まえ,今年度も「JAHISの基盤強化」,「保健医療福祉のIT化環境整備」,「標準化活動の強化」,「対外活動強化」の4方針のもとに活動を行っていくと報告した。さらに西原氏は,2020年におけるITを活用した医療の提言である「2020年ビジョン」を紹介。まとめとして,保健医療福祉分野におけるITの活用は,産業面から見ても欠かせないものであり,行政,学会など関係団体と連携しながら推進していくと述べた。

 これに引き続き,昨年設けられた標準化推進部会報告として,部会長の高平敏男氏から報告があった。また,国際的な標準化動向について,国際標準化委員会委員長の丹治夏樹氏が説明を行った。次いで,医事コンピュータ部会報告として,レセプトオンライン化や電子点数表などの取り組み状況を同部会長の富田 茂氏が報告。同部会が実施したニュージーランドの視察の結果について,副部会長の山口智久氏が説明した。この後,医療システム部会からは,部会長の貴田武実氏が,電子カルテ,検査システム,部門システム,セキュリティ,相互運用性の各委員会の活動状況について報告を行った。

 休憩を挟んだ後,保健福祉システム部会の報告が行われた。部会長の南 邦明氏が特定健診・保健指導における対応や後期高齢者医療制度に関した活動を報告したほか,経済産業省の「地域見守り支援システム実証事業」について紹介した。特定健診・保健指導に関しては,健康支援システム委員会副委員長の鹿妻洋之氏が,義務化から1年が過ぎた現在の状況などを紹介した。この報告に続き,事業推進部報告として,半田一也氏が,国際モダンホスピタルショウへの出展や会員企業社員向けの「医療情報システム入門コース」などの教育事業,出版事業などの実績や課題について述べた。

 4部会,1推進部からの報告に続き,特別講演が行われた。講演者は,(株)クニエのマネージングディレクターである細谷 功氏。演題は,氏の著書名でもある「地頭力を鍛える」。細谷氏は,インターネットの普及により,人間は覚える作業を機械に委ね,その分考える力が重要になってくるとし,ベースになるのが地頭力であると説明した。また,地頭力について,「結論から考える」仮説思考力,「全体から考える」フレームワーク思考力,「単純に考える」抽象化思考力の3層構造を説明し,フェルミ推定の問題を参加者に解かせて,その考え方について紹介した。

  政府は補正予算でも,医療のIT化に関連する予算を確保しており,地域医療連携などに力を入れていくことにしている。こうした背景の中,JAHISは今後,一般社団法人化などにより,さらなる活動基盤を強化していくことにしており,日本における保健医療福祉分野のITの普及に力を注いでいく。


●問い合わせ先
保健医療福祉情報システム工業会
TEL 03-3506-8010
http://www.jahis.jp/