第16回岩手MRI研究会(代表世話人:菊地憲一氏・医療法人楽山会 せいてつ記念病院)が6月28日(日),岩手県公会堂にて開催された。本研究会は岩手県放射線技師会の主催で行われており,毎回,MRIメーカー1社のMRI装置について,施設報告や技術講演などが行われている。今回は,日立メディコ社のMRI装置を中心に,安全管理に関する講演や施設見学,フリーディスカッションも行われ,MRIに関する幅広いテーマについて活発な意見交換が行われた。
施設報告では,岩手医科大学附属病院MRI検査室の平田洋介氏が,「1.5T MRI ECHELON Vegaの使用経験」と題して講演を行った。同院は,2007年3月にECHELON Vegaを導入し,脳神経領域について日立メディコ社との共同研究を行っている。本講演では,頭部,頸部,脊椎,膝関節,脂肪抑制(CHESS法),眼窩造影,胸椎造影,MR Spectroscopy,頸部プラークイメージングなどの幅広い領域について,同院の撮像プロトコールなどが紹介された。なかでもMR Spectroscopyについては,データ解析がワンボタンで行えるなど,簡素化された操作性によって検査のワークフローが向上したと評価した。
技術講演では,日立メディコMRIマーケティング本部の八杉幸浩氏が,ECHELON Vegaを中心に,今年発売された超電導型1.2TオープンMRIの「OASIS」,永久磁石型オープンMRI「AIRIS Vento」(0.3T),「APERTO Eterna」(0.4T)といった新製品の最新アプリケーションについて紹介した。
続いて,話題提供として,岩手医科大学中央放射線部の菅原 毅氏が「MRI検査に際しての安全管理」と題する発表を行った。1.5T MRIを中心に,磁力が人体に及ぼす作用や,MRI検査でチェックするべき事項,日常点検の注意点などについて,いくつかの事例も踏まえて詳述した。
この後,参加者は会場を岩手医科大学附属病院MRI検査室に移し,ECHELON Vegaやその他の装置を見学。さらに,臨床画像検討や,MRI検査における工夫などをテーマにフリーディスカッションを行うなど,充実した研究会となった。 |