2009年5月19日〜21日,スタンフォード大学主催の「第11回国際MDCTシンポジウム」(The Stanford MDCT Symposium 2009)が米国サンフランシスコ市で開催された。スタンフォード大学は,世界に先駆けて医用3D画像専用ラボを設置するなど,医用画像研究の分野で世界をリードしている。そのため,同大学が主催するシンポジウムは,医用画像に関する最新情報を得られる場として定評がある。
シンポジウムでは,医用画像分野の第一線で活躍している医師や博士らが,3日間で150を超える研究成果を発表する。その内容は,MDCTの最新技術動向や撮影手法の紹介から医用画像の基礎教育・臨床応用研究の発表までと幅広く,世界中の医師や診療放射線技師,医療機器メーカーが本シンポジウムに参加する。なかでも,「Workstation Face-Off」はとりわけ注目度が高い。
Workstation Face-Offは,医用画像処理ワークステーション(WS)の最先端技術を各メーカーが披露して競い合う,
同シンポジウム最大のイベントである。本年は日本企業として初の参加となるZiosoft社を含む,GE Healthcare社,Siemens社,Philips社,Carestream Health社,TeraRecon社,Vital Images社,Visage Imaging社の計8社がこれに挑んだ。Face-Offでは,実際の臨床で各社WSを常用している医師が,与えられた5つの課題に対してそれぞれ2〜4分の制限時間内でデモンストレーションする。スクリーンに映し出された実際の操作画面や作成画像から,参加者がWSの操作性,画像の精度,処理速度などを評価する。
Ziosoft社はZIOSTATIONに搭載されている「マクロ」をフルに活用し,すべての課題を制限時間内でクリアした。マクロはさまざまな画像処理の操作を自由に組み合わせて自動化する,同社独自の技術である。今回のFace-Offでは症例ごとにマクロを最適化し,画像処理時間の大幅な短縮を実現していた。
締めくくりには総括として,Face-Off議長のGeoffrey Rubin医師(スタンフォード大学)が,“Each vendor's system consistently completed the majority of tasks and there were no major stumbles,”とコメントした。
最新の医用画像技術が披露される場として,Workstation Face-Offは今後も期待される。 |