日本GE(株)とGEグローバル・リサーチ(米国のGE研究開発センター)が主催する「GE ecomagination Day」が5月26日(火),グランドハイアット東京にて開催された。GEは2005年から,世界が直面する最も困難な課題である地球環境問題に対する優れた革新的な製品やサービスを提供する環境ビジネス戦略「ecomagination(エコマジネーション)」を強力に推進している。エコマジネーション関連製品は,GEエナジー・インフラストラクチャー事業が手掛ける発電部門,オイル・ガス部門,水処理部門などを中心に現在,80種に及び,エネルギーの効率的利用とCO2の削減に貢献している。今回の「GE ecomagination Day」は,日本の技術力とGEの事業力を融合させつつ,新たな成長の機会を模索し,クリーンな未来を創造することをテーマに開催された。
「グローバル・パートナーシップ・フォーラム」では,経済産業省産業技術環境局地球環境対策室長:竹谷 厚氏,ならびにGEグローバル・リサーチシニア・バイス・プレジデント兼所長:マーク・M・リトル氏による基調講演の後,(株)日立製作所執行役常務研究開発本部長/医療事業業務本部長/地球環境戦略室長:小豆畑茂氏,日産自動車(株)フェロー:久村春芳氏,GEエコマジネーション担当副社長:スティーブ・フラッダー氏が加わり,日本GE(株)社長兼CEO:藤森義明氏の司会によるパネルディスカッション「環境・エネルギー問題解決に向けたパートナーシップ」が行われた。日本政府および日本を代表する企業における地球環境問題・低炭素社会の実現に向けた取り組みが発表されたが,技術革新が低炭素社会を実現するカギであり,その点で日本は世界をリードしている。パネルディスカッションでは,日米政府と協力し,グローバルでオープンなパートナーシップのもと,技術革新による地球温暖化の解決に向けた努力を確認しあった。
本フォーラムの最後に,GE会長兼CEOのジェフリー・R・イメルト氏が「GEのコミットメント─世界が抱える困難な課題解決に向けて」と題して講演。2007年からの経済危機に明確な目標を設定して対処していくとして,従来の方向をリセットする5つの変化,すなわち,金融サービスの後退,政府の役割強化,技術革新による経済牽引,新興市場の台頭などを挙げた。なかでも,GEが展開するエコマジネーションの技術革新は,21世紀のテクノロジー・コアとして成長の原動力となるという。長年の重要なビジネスパートナーである日本とともに,この世界的課題を解決していきたいと述べた。
同時に開催された「ジャパン・テクノロジー・フォーラム」は2007年に続いて2回目となり,優れた技術力を持つ日本企業との連携を重要な戦略のひとつとしている日本GEが,技術面でのパートナーシップ構築を促進するプログラムである。先端材料,環境・省エネルギー,エレクトロニクス,ヘルスケア・バイオサイエンス,ものづくりの5分野を対象に公募(紹介)した日本企業(団体)約160社の中から選出された20社が参加し,展示説明や情報交換が行われた。上記フォーラムに出席したGEグローバル・リサーチのマーク・リトル所長はじめ各事業部門の研究者へのプレゼンや個別の話し合いなども設けられ,パートナーシップの構築が模索された。なお,第1回目に参加した33社のうち,現在5社と技術協業の話し合いが進行中という。また,2008年9月からは,日本GEのWebサイトで日本企業からの技術協業の公募も開始している。 |