(株)日立メディコは4月10日(金),同社大会議場(千代田区)において「プロダクトミーティング2009」を開催した。4月17日(金)〜19日(日)に行われる2009国際医用画像総合展(ITEM in JRC 2009)の展示製品について,新製品を中心に紹介した。
冒頭,挨拶に立った執行役社長の浜松 潔氏は,ITEMにおける同社の展示コンセプト を"やさしさは,見える"であると紹介。そして,「操作性が良く,患者さんが安心して検査を受けられ,なおかつ高性能な製品であるために,デザインやユーザビリティに徹底的にこだわって製品開発を行っている。そのあたりをITEMで是非ご覧いただきたい」と述べて展示製品をアピールした。
続いて,展示ブースの概要や新製品の説明が行われた。
マーケティング統括本部営業技術本部の久芳 明氏は,「今回のITEMでは,新製品を多数そろえることができた。新製品は,新たなカラーデザインコンセプトである透明感の溢れる白と太陽をイメージしたスマイルイエローを採用している。ブースは,このカラーデザインコンセプトともう1つのキーワードであるオープンをイメージして製品を展示している。展示会場で多くのお客さまにわれわれの製品の優しさを感じてもらいたい」と説明。このほか,展示製品の一覧やセミナー,学会発表の概要を紹介した。
XRマーケティング本部の小田和幸氏は,2008年7月に発売された多目的デジタル透視撮影システム「EXAVISTA」を紹介。IVR対応多目的デジタル透視撮影システム「CUREVISTA」を含めたVISTAシリーズは,最適な多目的検査環境の提供,充実した治療支援機能の搭載,省スペース・省ランニングコストが特徴である。さらにEXAVISTAには,40×30cmと30×30cmの2種類のFPD(VISTA panel)が用意されており,ニーズに合った最適なシステムの選択が可能。また,装置の周囲に広いワークスペースを確保しているほか,150cmのワイドストロークやテーブルの両端15cmから透視・撮影が可能である。このほか,1000本ノンインタレース仕様やハイビジョン仕様の透視画像をデジタル化してリアルタイムにハードディスクに記録できる新しいアプリケーション"透視高画質録画"が紹介された。
マーケティング統括本部CT戦略本部の羽田野顕治氏は,64列マルチスライスCTの新製品を紹介。製品の詳細については,ITEMで発表する予定とした。
マーケティング統括本部MRI戦略本部の八杉幸浩氏は,1.2 Tの超電導型高磁場オープンMRI「OASIS」(4月中旬発売)と0.3 Tの永久磁石型オープンMRI「AIRIS Vento」(4月下旬発売)の新製品2機種について発表した。
八杉氏は,OASISをオープンMRIのフラッグシップ装置であり,一般の画像診断だけでなく,スポーツ科学などの研究分野での活用も期待されると紹介した。OASISは,昨年米国で発売され,すでに30台以上の出荷実績がある。超電導磁石の採用により,高い静磁場強度をオープンデザインで実現。開放角度は270°,開口部の高さは44cmと開放性に優れている。また,独自開発の高感度ソレノイド受信コイルによる高画質を提供するほか,ゆったりとしたフレキシブルBodyコイルを使用することで,体位に制限のある被検者でも自由な体位で撮像することが可能。頭部撮像時にも,Large Jointコイルを使用することで,横向きなどの姿勢での撮像を行うことができる。さらに,ガントリに内蔵されたT/R Bodyコイルにより,受信コイルを装着しないコイルレス撮像も可能である。
また,AIRIS Ventoは,従来の永久磁石型オープンMRI装置の特長である高機能・高画質・高い経済性をそのままに,超電導1.5 TMRI「Echelon Vega」の機能も搭載した装置。Echelon Vegaと同じプラットフォームや高速画像演算ユニットを採用し,高い操作性や高速画像処理を実現している。八杉氏は,AIRIS Ventoは,コンピュータシステムを一新し,Echelon Vega のアプリケーション技術を搭載したアドバンスト・オープンMRIであると紹介した。
マーケティング統括本部US戦略本部の岡田一孝氏は,超音波診断装置「HI VISION Preirus」を紹介。同装置は,2月にセルリアンタワー東急ホテル(渋谷区)で開催したプレミアムセミナー東京「超音波診断の最先端,そして,明日へ」において発表された。探触子から装置のハードウエア,ソフトウエアなどすべてを一新して高画質化を図っているほか,検査スタイルに合わせてパネルとモニタが一体で移動するなど,操作性の向上が図られている。
マーケティング統括本部メディカルIT戦略本部の井桁嘉一氏は,放射線情報システム「OPEN-RIS」,画像診断ワークステーション「NV-1000」と読影レポートシステム「Natural Report」を組み合わせた統合読影環境,中規模病院向けのWeb型電子カルテシステム「Open-Karte」,クリニック向け電子カルテシステム「Hi-SEED」(日立メディカルコンピュータ)を紹介した。
核医学治療製品営業本部放射線治療システム営業部の加納川洋氏は,米国TomoTherapy社の放射線治療装置「Hi-ARTシステム」を紹介。加納川氏は,同製品の販売と保守サービス業務を通じて,日本のがん治療に新たな治療手法とテクノロジーを提供し,放射線治療の質の向上に貢献していきたいとし,長期的なビジネスとして推進すると述べた。 |