総務省と(財)テレコム先端技術研究支援センターは3月11日(水),コクヨホール(港区)において,「第3回ユビキタス健康医療シンポジウム」を共催した。このシンポジウムは,医療過誤などが問題化する中,RFIDなどを用いて安全性を確保するといった医療分野におけるユビキタス技術の活用や,ネットワークセキュリティのあり方について,情報共有の場として設けられた。開会にあたり挨拶した総務副大臣の石崎 岳氏は,医療の分野でもICT(information communication technology)の活用が広がり,安全性や効率性,情報共有などにメリットが得られていると述べた。その上でシンポジウムを通じ,問題点を整理し,さらに地域医療連携などへのICTの活用を推進してほしいとまとめた。
シンポジウムでは,まず,東京医科歯科大学情報医科学センター長の田中 博氏が,「ユビキタス医療ICTの展望─医療安全から生涯健康管理まで」と題した基調講演を行った。田中氏は,医療現場でのユビキタス技術の動向について説明。さらに研究を進めているワイヤレス技術搭載のスマートストレッチャーなどを用いた「u-Hospitalプロジェクト」の概要も紹介した。
このほか,(社)日本病院会常任理事の大道道大氏,NTT東日本関東病院看護部長の山元友子氏,秋田大学医学部附属病院医療情報部教授の近藤克幸氏,(株)国際電気通信基礎技術研究所知識科学研究所所長の小暮 潔氏,東京大学大学院情報学環准教授の山本隆一氏が講演を行った。また,パネルディスカッションでは,これらの講演者を中心に,「医療のより高い安全性・信頼性の向上に向けて」をテーマにした議論が繰り広げられた。 |