聖マリアンナ医科大学は2009年3月,同大学乳腺・内分泌科教授の福田 護氏が院長を務める「聖マリアンナ医科大学附属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック」(略称:ブレスト&イメージングセンター)を開設する。それに先立ち,2月20日(金)には同センターにおいて,メディア内覧会が開催された。
聖マリアンナ医科大学病院は1998年,全国に先駆けて乳腺・内分泌外科を開設し,高度な乳がん診療を行ってきた。2007年度の乳がん手術件数は,約420例に上る。こうした豊富な経験と実績を生かして開設された同センターは,がん診療拠点病院が開設する日本初の本格的な独立型ブレストセンターであり,「world class care(世界最高水準のケア)をモットーに,高い知識と技能を備えた患者中心の全人的,安全,良質な医療の提供」を基本方針に掲げている。1.5T MRI,64列MSCT,デジタルマンモグラフィ,超音波装置などの最先端のモダリティを設置しているほか,乳腺外科医,腫瘍内科医,放射線科医,診療放射線技師,看護師(乳がん認定看護師,がん性疼痛看護認定看護師)など,専門性の高い医療スタッフによるチーム医療によって,高度な乳がん診療を提供する。また,地域医療施設と連携し,地域のイメージングセンターへの発展をめざす。
診療は予約制となっており,乳がんの検診,診断はもちろん,日帰り手術,外来化学療法による治療,経過観察も行う。入院が必要な患者さんについては,聖マリアンナ医科大学病院および川崎市立多摩病院で対応する。また,大学病院と同センターのIDを共通化して診療情報を共有するため,どちらの施設で診療を受けるかを患者さんが選択することもできる。さらには,がん患者の治療と生活をつなぐことを目的に2008年6月に設立されたNPO法人キャンサーリボンズ(福田 護理事長)とも連携し,乳がん患者を生活面からも支援する。
挨拶に立った福田氏は,日本における乳がん診療の現状や同センターの特長について紹介し,「大学病院と独立型ブレストイメージングセンターとの連携という,新しい医療施設の利点を生かして専門性の高い診療を行うとともに,社会全体でがん患者さんを支えるネットワーク作りにも力を注いでいきたい」と抱負を述べた。
なお,同ビル内には,キャンサーリボンズの活動拠点の1つとして「リボンズハウス」が開設され,同日に内覧会が開催された。4月1日から,カウンセリングや情報提供,展示など,本格的な活動を開始する。 |