東京大学医学部附属病院22世紀医療センターは1月22日(木),鉄門記念講堂(東京・文京区)において,第4回22世紀医療センターシンポジウム「産学連携−学と社会の架け橋」を開催した。共催は,東京大学グローバルCOEプログラム「学融合に基づく医療システムイノベーション」。
同センターは,東京大学医学部附属病院における新たな臨床医学や医療関連サービスの研究と開発を目的に,2004年に開設された。現在は22の寄附講座によって,新たな診断法や治療法の開発,治療法の普及・検証,予防医学,医療政策,医療機器・設備,ロジスティクスなど,幅広い研究活動が行われており,同院におけるトランスレーショナル・リサーチの中心となっている。開設から5年目の節目の年に開かれた今回のシンポジウムでは,同センターで行われてきた産学連携に基づく活動の成果が報告されたほか,医療産業を取り巻くさまざまな課題と,産学連携が進むべく方向性などについて,パネルディスカッションなどを通じて活発な議論が交わされた。
《プログラム》
◆基調報告 13:15〜13:50
座長:中島敏明氏
(サトウスポーツプラザ加圧トレーニング・虚血循環生理学講座特任准教授)
「22世紀医療センターにおける産学連携の現状報告」
奥 真也氏 (健診情報学講座特任准教授)
◆22世紀医療センター活動報告
●テーマ1 基礎・創薬
座長:安東克之氏(分子循環代謝病学講座特任准教授)
・「分子から疾患へ基礎研究と臨床の統合−生活習慣病の根本的治療法の開発に向けて−」
山内敏正氏(統合的分子代謝疾患科学講座特任准教授)
・「メタボリックシンドロームの動物モデル(SHR)を用いた内臓脂肪蓄積と慢性腎障害の 成因の解明」
後藤田貴也氏(臨床分子疫学講座特任准教授)
・「アンチエイジング医学と性ホルモン作用機構の解明」
井上 聡氏 (抗加齢医学講座特任教授)
・「新規抗炎症薬の開発と循環器疾患への応用」
鈴木淳一氏(先端臨床医学開発講座特任准教授)
◆特別講演・パネルディスカッション
座長:中村耕三氏(22世紀医療センター長)
「産学連携とその展望」
三宅 淳氏(産業技術総合研究所 セルエンジニアリング研究部門 部門長/東京大学ナノバイオインテグレーション研究拠点招聘教授)
◆22世紀医療センター活動報告
● テーマ2 医療と社会
座長:森田啓行氏(健康医科学創造講座特任准教授)
・「22世紀の臨床データマネージメント」
山口拓洋氏 (臨床試験データ管理学講座特任准教授)
大津 洋氏 (臨床試験データ管理学講座特任助教)
・「特定健診制度の導入における健診データの標準化」
奥 真也氏 (健診情報学講座特任准教授)
・「DPCナショナルデータベースを活用した臨床疫学研究の展開」
康永秀生氏(医療経営政策学講座 特任准教授)
● テーマ3 臨床研究
座長:上寺祐之(医療環境管理学講座特任准教授)
・「22世紀医療センターにおける産学連携とがんに対する免疫細胞治療の開発」
垣見和宏氏(免疫細胞治療学(メディネット)講座特任准教授)
・「大規模住民コホートを用いた運動器疾患疫学研究の進展−ROADプロジェクトより−」
吉村典子氏(関節疾患総合研究講座 特任准教授)
阿久根 徹氏(臨床運動器医学講座 特任准教授) |