ブレインラボ(株)は10月3日(水),丸ビル コンファレンススクエア(東京・千代田区)において,「術中MRI画像誘導手術システムによる最先端脳外科手術」と題したメディアセミナーを開催した。このシステムは,脳神経外科手術用のナビゲーションシステム(Vector VisionSky)に1.5T
MRI装置や手術用顕微鏡などを統合した脳神経外科用の統合手術室。術中に撮像したMRIの画像をリアルタイムに確認しながら手術を進めることができるため,腫瘍の取り残し,脳神経の損傷,術後の後遺症などを最小限に抑えることが可能。現在世界で22台が稼働している。
セミナーでは,セールスマネージャーの中村康章氏(写真1)が「脳神経外科におけるブレインラボの新技術」と題して術中MRI画像誘導システムのほか,術中CT画像誘導システムや定位放射線がん治療装置「ノバリス」を紹介した。名古屋大学医学部脳神経外科教授の吉田 純氏(写真2)は,「術中MRI脳手術の現状と将来展望」と題して講演した。名古屋大学医学部附属病院では,2006年1月に0.4T
MRI装置やニューロナビゲーションなどを設置した手術室を開設。8月に,関連病院の名古屋セントラル病院に同社の術中MRI画像誘導手術システムをアジア地域で初めて導入した手術室を開設した。吉田氏は,これまでに両病院で合計約180件の画像誘導手術が安全に行われていると述べ,症例画像を示しながら術中MRIの有用性を紹介した。また治療成績を示し,術前だけでなく術中に脳の構造,機能を把握できるため,安心して手術を行えることが高い腫瘍摘出率につながっていると述べた。吉田氏は,画像誘導手術システムは年々進歩しており,より安全かつ確実に手術が行えるようになってきているとまとめた。 |