7月1日付けでドイツのシーメンスAGの代表取締役社長兼CEOに就任したペーター・レッシャー氏(写真1)が来日し,8月24日に帝国ホテル(東京・千代田区)で今後の事業展開についてプレスミーティングを行った。
レッシャー氏は,1957年オーストリア生まれ。ウィーン大学,中国大学(香港)で経済学を専攻した後,ハーバードビジネススクールでMBAを取得した。日本ヘキストマリオンルセル(株)の社長兼CEO,アベンティス
ファーマ(株)の会長兼社長兼CEOを経験するなど,日本でのビジネス経験も豊富である。その後,英国のアマシャム,GEヘルスケア・バイオサイエンスの社長兼CEOに就任。2006年に米国メルクのグローバル・ヒューマンヘルス・プレジデントとなった。シーメンス外部から代表取締役社長兼CEOが招へいされたのはレッシャー氏が初めてだという。記者会見に同席したシーメンス(株)代表取締役社長のペーター・ツァップ氏(写真2)は,「変わるシーメンスの象徴」とレッシャー氏を紹介した。
レッシャー氏は,日本市場が世界第2位の市場規模を持っており,成長が著しいアジア諸国の中でも,大きな影響力を持っていると説明。日本市場での成功が重要であると述べた。特に主力の医療事業については,人口の高齢化などにより今後も成長が見込まれ,大きなチャンスがあると期待を示した。また,ドイツのバイエル・ヘルスケアの診断薬事業を買収したことに伴い,日本国内でもバイエルメディカル(株)の診断薬事業部を2007年7月1日付けで統合。新会社「シーメンスメディカルソリューションズ・ダイアグノスティクス株式会社」を設立しているが,これについても,グループ企業の関係を強化しシナジー効果を発揮するようにしたいと述べた。このほか,レッシャー氏はCEO就任後100日間に取り組むテーマとして,コンプライアンスの遵守,リーダーシップを育てる企業風土・体制づくり,ポートフォリオの開発,市場開拓,技術開発の5つを挙げ,その実現への意欲を見せた。 |